タブレットを購入する時、何を基準にしているだろうか? 多くの人がブランドやデザインで決めるかもしれない。だが、MakeTechEasierの技術ライターは、「3 Specifications That Are Missing from Most Tablets」という記事で、タブレットメーカーがカタログなどにあまり表示していない3つのスペックをチェックすべきとアドバイスしている。
3つのスペックとは何だろうか? 以下、それぞれについて見てみよう。
メモリの種類
コンピュータのメモリ「RAM」にはさまざまな種類がある。一般的に、PCのカタログなどに製品のスペック一覧にRAMの種類や容量が記されているが、タブレットのカタログなどにはRAMの情報は記載されていないことが多いと指摘されている。
最近のPCの多くはDDR(Double-Data-Rate)を採用している。よく利用されているのはDDR3で、近い将来DDR4を搭載した機種が出てくると予想されている。DDR2とDDR3との違いを簡単に言うなら、DDR3は1回のクロックサイクルでDDR2の2倍のデータ量を扱うことができる。ほとんどのDDR3 RAMが最低でも毎秒1億回(DSR3-800の場合)のサイクルで転送していることを考慮すると、DDR2との違いは大きいと言える。
一方、タブレットはどうだろう? 主要なタブレットは低消費電力を特徴とするLPDDR(Low Power DDR)に分類されるRAMを採用している。LPDDRの種類は、PCで言うならDDR1に相当するLPDDR2-S2に加え、2012年5月に新たな規格「LPDDR3」が発表された。LPDDR3では低消費電力を維持しつつ高速化を実現、より多くのデータ量を転送できるという。2014年8月にはさらに高性能な規格「LPDDR4」が発表されている。
記事では、「メーカー各社は自社製品にどのメモリ仕様を採用しているのかを明確にすることに必ずしも積極的ではない」と指摘する。タブレットをお持ちの方、自身のタブレットがどんなメモリをどのくらい搭載しているのかについて把握しているだろうか? ハイエンドのタブレットは最新技術が利用されていることが多いが、知っておいて損はない。
メモリクロック
上記がメモリの種類がデータが転送されるレートに関する仕様だったのに対し、クロック周波数は機器の同期を合わせるためのクロック信号の回数をMHzで示す。両者がそろって初めて、マシンのメモリがどれぐらい高速なのかがわかるのだ。
多くのタブレットがメモリの容量は明らかにしているが、データの処理に関する数値はわからない場合が多い。メモリが2GBのタブレットも速度が遅いと、メモリを1.5GBしか搭載していないタブレットと同程度の性能の場合もある。そして、メモリの容量が少ないタブレットよりもアプリを起動するのに時間がかかるという事態にもつながる。
バッテリー・テストの条件
持ち歩きを前提とするタブレットはスマートフォンと同様に、バッテリーの持続時間が重要だ。だが、メーカーがうたっているのと同じ時間だけバッテリーが使えた試しがないという人も少なくないのではないだろうか。周囲の温度、内部のバッテリー温度、起動しているアプリの数、画像の明るさ、Wi-Fiのアンテナからの距離などにより、バッテリーの持ち時間は変わってくる。
メーカーがバッテリー時間をテストしていることは間違いないだろうが、どのような条件下で試しているのかについては開示していないことが多い。
記事では、最後に、以上の3つを挙げた理由について、「ミッドレンジやハイエンドのタブレットを安価な機種と比較するユーザーがいるので、オトクかどうかを判断する大切な指標になるから」と説明している。
CPUのスペックは、タブレットのメーカーではなくCPUメーカーの責任であり、通常、各社は自社のCPUの性能に関するスペックを細かく開示しているという。
タブレットメーカーが開示していない場合は、「消費者として知りたいのだと丁寧に聞いてみてはいかがだろうか」とアドバイスしている。