この1月にFacebookのアルゴリズムが更新され、Facebookページの宣伝色が強い投稿が表示されにくくなりました。今後どのような方法で商品サービスをPRしていけばいいのかを解説します。
こんにちは、SMMLab ゲストライターの柴です。
Facebookページの投稿を使って、自社の商品サービスの宣伝をしてもファンに見てもらえていないと感じていませんか。実はこの1月から、宣伝色が強い投稿は自動的に表示回数が減るような仕様になっているのです。
今回は、具体的にどういった投稿がNGなのかと、宣伝っぽくなく自然と商品サービスの魅力を伝える投稿の4パターンを解説します。
こんな内容は表示されにくい!NG投稿とは
宣伝色が強い投稿といっても、具体的にはどのような投稿が表示されにくくなるのでしょうか。厳密にいうと、Facebookページの投稿のうち以下に該当すると判別された投稿が対象(※)です。
・商品の購入やアプリのインストールをさせるためだけの投稿
・何の脈略もなくプロモーションや懸賞に誘いこむような投稿
・Facebook広告を再利用した全く同じ内容の投稿
Facebookページの投稿はファンとの会話です。上記のような唐突な宣伝や押し売りは嫌がられます。ですから、Facebookはファンに嫌がられる投稿を表示しないようにしたのです。単に宣伝したいだけなら広告を使ってください、ということでしょう。
※引用元:『An Update to News Feed: What it Means for Businesses』
宣伝ぽくない!商品サービスの魅力を伝える投稿4パターン
裏を返せば、宣伝が含まれていてもファンに受け入れられる内容になっていればよいのです。そこで今回は、自然に自社の商品サービスの魅力を伝える投稿の4パターンをご紹介します。
1.製造工程を見せる
製造工程を公開しながら、材料や作り方などのこだわりを伝えましょう。
普段外からは見ることができない製造の様子は、読み物としての価値があります。製造工程を特集するTV番組が人気であることを考えても、消費者の興味が高い内容であることが感じられるのではないでしょうか。
下のキャプチャ左の(有)ローザンヌ洋菓子店 愛知県大府市のFacebookページでは、シュトーレンの一連の製造工程を何回にもわけて投稿しています。クリスマス本番の2か月以上前から、手間をかけて作っていることが伝わります。
シュトーレンを扱っていることを告知できるうえ、手間がかかっているぶん味に期待が膨らみます。また、出来上がりに近い写真ほど「食べたい」欲求が喚起できるのです。
上のキャプチャ右の本格薩摩焼酎 宝山のFacebookページでは、製造工程の解説のなかで作り方や材料のこだわりが語られています。デリケートな温度湿度管理を厳しく行っていることや限定銘柄を使っていることから、品質の高さが連想されるのです。
2事例とも普段は見ることがないシーンが目に留まり、興味が惹かれるままに文章を読むうちに、商品の魅力を知ることができる投稿なのです。
2.知識やノウハウを公開する
ファンが知りたいと思うようなテーマで、学びになる情報を発信しましょう。
米肌 -MAIHADA-のFacebookページでは、定期的に美肌を作るお手入れの仕方を投稿しています。下キャプチャの左の投稿をご覧ください。肌にハリがでるマッサージ方法をイラストを使って解説しています。同時に、新商品である活潤リフトエッセンスの告知もしているのです。
StudyNet.jp:やり直しの英会話学習サークル/TOEICのFacebookページでは、上キャプチャの右の投稿のように英語の表現方法を頻繁に発信しています。実際英語を使っているなかで、ふと疑問に思うことがありそうな英語表現が紹介されているため、つい気になって見てしまいます。
また、わかりやすく解説することで、この教室の授業もわかりやすいのではというイメージを受けるのではないでしょうか。投稿の最後には授業の案内もあります。
ユーザーにとって有益な情報を提供して興味をひきながら、自社の商品サービスをアピールしている事例ですね。
3.美しい画像で癒しをプレゼントする
なにも有益な情報だけが、ファンに喜ばれる投稿ではありません。見ている人に癒しや元気をプレゼントできるような画像を投稿してみましょう。
下キャプチャ左のはいむるぶし~南十字星という名のリゾート~のFacebookページでは、小浜島の写真を紹介文とともに投稿しています。美しくて思わず息を飲むような景色、見ているだけで癒されませんか。反射的に「いいね!」してしまいそうです。
また寒い冬にこういった画像を見ると、夏が恋しくなったり、暖かい沖縄への気持ちが募ったりと「行きたい」欲求がかき立てられます。
上キャプチャの右側は、ヒーリングミュジック専門ショップDella Inc. (デラ)のFacebookページです。
少し心がクスッとなるような葉っぱの写真に「苔むした森に現れた、4人(?)の葉っぱたち。」というストーリーがついています。なんだかホッとしませんか。
この写真は屋久島のものということで、最後は屋久島のネイチャー・サウンドCDを案内。見ている人の心をプラスの方向に動かしながらも、商品サービスの存在を伝えています。
4.自己投影できるストーリーを共有する
感情に訴える系の投稿では、自己投影しやすいストーリーを紹介する方法がおすすめです。
左側の青山ケンネルスクールのFacebookページでは、生徒の想いが語られています。同じような目標を持つ人は思わず自己投影してしまうのではないでしょうか。そのぶん、共感の「いいね!」が集まりそうです。
また、似たような夢を持った人がスクールに通っているという事実は、見る人に勇気を与え、スクールへの入学検討の後押しすることにもつながります。
右側は青空写真館のFacebookページです。パパママは「親」1周年というくだりに、自分を重ねる人も少なくないはずです。頑張りすぎている親にとっては肩の力が抜ける一言かもしれません。
そしてふと、写真に目がいき家族写真を撮りたいとニーズが喚起されるのではないでしょうか。「こういう風に撮ってもらいたい」と感じてもらえるかもしれません。
自己投影できるストーリーを紹介しながらも、自社の商品サービスを検討する材料にもなる内容であることがポイントです。
ファンにプレゼントできるものはあるか
Facebookのアルゴリズム変更があったとはいえ、ユーザーに支持される投稿が優先されるといった基本的な考え方は変わりません。
どちらにせよ独りよがりな告知や、一方的な宣伝、押し売りなどは嫌われます。
ファンのプラスになる「何か」があることが大切なのです。常にそこを意識できていれば、今回のアルゴリズム変更を恐れる必要はありません。今一度自分に問いかけてみだください。
あなたのFacebookページの投稿には、ファンにプレゼントできるものが含まれていますか。
ライター紹介
柴 佳織(Kaori Shiba)
企業のFacebookページのコンサルティングから、解析・運用支援などを行う。また、Facebookマーケティングのライターや講師も務めている。
本稿は、ソーシャルメディアマーケティングラボにて掲載された記事を転載したものです。