カスペルスキーは1月15日、2014年のサイバー脅威を総括したレポートを発表した。同社がブロックした攻撃の数は、モバイルデバイスの増加などに伴い、2013年より10億件増えたという。

モバイル端末を狙ったマルウェアは200カ国・全29万5500件が確認され、2013年の2.8倍だった。モバイルバンキングを狙ったトロイの木馬は2013年の9倍に増え、この数は「驚異的なスピードだ」とまとめている。Androidユーザーは、19%が1年間に少なくとも1回の脅威に遭遇したことになる。

金融分野への攻撃は、ネットバンキングを狙ったものが大半を占めた。バンキングマルウェアは「Zeus」「ChePro」「Lohmys」の順に多く出回った。

そのほか、Bitcoinウォレットを盗むマルウェア、コンピューティングリソースを使ってBitcoinを生成するマルウェアなど、Bitcoinに関連するマルウェアも目立った。

そのほかの脅威のトピックは以下の通り。

  • コンピューターユーザーの38%が、1年間に少なくとも1回のWeb攻撃を受けた。

  • 無害化されたWeb攻撃の44%が、米国(攻撃全体の27.5%)、ドイツ(同16.6%)、オランダ(同13.4%)に置かれた悪意のあるWebリソースによって実行された。

  • 銀行口座への不正なオンラインアクセスによって金銭を搾取しようとした、約200万件の攻撃がブロックされた。

  • 1日当たりのインターネットベースの攻撃は、平均390万件。

  • ウェブアンチウイルス機能が検知した1億2,300万種類以上の悪意あるオブジェクトの内、74%は特定された悪意あるURLで発見された。

  • OS Xを狙った370万件の攻撃をブロックした。

  • Macユーザーは、平均して1年間に9件の脅威に遭遇したことになる