企業をはじめ様々な組織にとって顧客との接点となるコンタクトセンターの役割は、年々その重要性を増している。コンタクトセンターの対応一つで顧客が企業に対して不満を感じ、その不満が大きければ競合他社へと移ってしまうことも現在では珍しくない。

そうしたなか、顧客に長く愛され、必要とされる企業となるためにコンタクトセンターで何ができるのか、また他社と差別化した顧客対応を実現するための様々なソリューションについて紹介するフォーラム「テクマトリックスCRM FORUM 2015 ~競争力を高めるコンタクトセンターとは~」が、来たる2月17日に開催される。

そこで本稿ではフォーラム開催に先立ち、今日のコンタクトセンターが抱える課題と、そうした課題を解決してコストセンターをベネフィットセンターへと変貌するためのヒントについて、テクマトリックス CRMソリューション事業部の事業部長、鈴木猛司氏に話を聞いた。

"当たり前"のサービスレベルではもはや顧客は満足できない

テクマトリックス CRMソリューション事業部 事業部長 鈴木猛司氏

昨今のコンタクトセンターが抱える大きな悩みの一つが、顧客のコンタクトセンターに対する期待値が年々高まっていることだ。一昔前までのコンタクトセンターのイメージは、「なかなかつながらない」、「的確な回答が得られにくい」というものだった。そのため、つながりやすく、あるいは、たとえつながるまでに時間がかかったとしても、最終的に求めていた回答が得られさえすれば、ほぼ満足することができたのである。

しかし、コンタクトセンターの進化とともに顧客の期待値もまた高まった結果、現在ではかつてのコンタクトセンターのサービスレベルでは不十分となりつつある。すぐにつながるのはもちろんのこと、的確な答えをより早く得ることができなければ、顧客は不満を抱きその企業に対する印象を悪くしかねないのである。

「そのため、いかにして高い期待値に応えるかが大きな課題となっているのです」と、鈴木氏は強調する。

その理由の一つが、情報社会の進化やスマホなどのデジタルデバイスの普及によるサービスの利用手段の多様化が考えられる。従来の電話やメールでの対応だけでなく、FacebookやTwitterなどのSNSやソーシャルカスタマーサポートを利用した情報提供も増えてきている。インターネット利用が日常的であることから、問題に直面した顧客はまずネットでひととおり調べてみる傾向にあることから、結果として、自分でインターネットで回答を得られなかった人が最終手段としてコンタクトセンターに問い合わせてくるケースが増えている。つまり、顧客からコンタクトセンターに寄せられる質問の内容が、昔と比べて格段に難しくなっているのだ。

鈴木氏は語る。「にもかかわらず、エージェント(オペレーター)から初歩的な説明をされたのでは、お客様がカチンと来るのも無理のないことでしょう。このような状況は顧客サービスの観点からも好ましくありません。また最近では企業の対応内容がSNSなどで簡単に拡散されてしまいますので、企業の評判を貶めることにもつながりかねません。そこまでを含めて、お客様の要求レベルが高まっていることが課題なのです。マニュアル通りの対応では、もはやお客様に満足を得ていただくことはできないでしょう。しかし逆を言えば、臨機応変な対応でレベルの高いサービスを提供することで、競合他社に対して差別化できるようにもなっているのです」

コンタクトセンターをベネフィットセンターとするために必要なこととは

このようなコンタクトセンターが抱える課題を解決すべく、コンタクトセンター向けの業務アプリケーションを提供しているのがテクマトリックスである。現在、同社では、あらゆる顧客の情報を一元管理・共有できるCRMソリューションや社内外のFAQを管理するFAQツールを提供している。エージェントが問い合わせを受けてから出来る限り早く正確な回答を提供することで、お客様の課題をスムーズに解決できるよう、"おもてなしの心"で対応を支援するシステムを実現しているのである。

「一言で言うと、お客様サービスの品質を上げるためのお手伝いをしています」と鈴木氏。

サービスの品質を上げるためには、全体的な品質のばらつきをなくす必要もある。そのためのサービス品質の底上げについても支援できるよう、同社のソリューションは配慮されている。

最近は様々な製品でコモディティ化が進んでおり、製品そのものによる差別化が難しくなっている。そのため顧客対応のあり方によって顧客の購買動機が左右される比率が高まっているのだ。コンタクトセンターのサービスレベルは、企業のブランディングに直結し、またそれは企業全体の収益にも多大な影響を与えるようになってきているのである。

「お客様サービスの良し悪しは、お客様が製品・サービスそのものの優劣を評価する上で、重要な要素になっています」(鈴木氏)

そして重要なのが、良い製品をつくっている企業ほど、顧客体験-つまり自社の製品とサービスが顧客に与える体験を重視する傾向にあるということだ。製品の購入前から手元に届くまで、そして製品自体と合わせて、その後のカスタマーサポートまでのすべての局面を、自社の製品が提供する体験と見なすようになっているのである。そしてそうした体験の総和=自社の価値と考えることが、次第に一般的となってきている。

高くなった顧客の期待に応えて優れた顧客体験を提供する方法には、エージェントのしっかりした教育もその1つであるが、テクマトリックスなどのソリューションベンダーのツールを組み合わせて活用する手段も効果的なアプローチだ。そして、そうした多くのベンダーの多種多様なソリューションとともに、成功事例など有益な情報をコンパクトに伝えるべく開催されるのが「テクマトリックスCRM FORUM 2015」なのである。

「優れた事例を知ることは、自社のコンタクトセンターのお客様サービス向上にとても役立ちます。また我々のソリューションと連携して利用すると非常に便利なツールなどもたくさんありますので、コンタクトセンターを自社の強みにしたいと考える方であれば大いにお役に立てる内容になることと自負しております」と、鈴木氏は力説する。

元内閣総理大臣の小泉純一郎氏による特別講演で幕を開ける同日のフォーラムには、あらゆる業界から多数の来場者が予想される。コンタクトセンター担当者はもちろんのこと、戦略的視点から顧客サービス向上を目指す企業の経営者や部門長にとっても有意義なセッションが数多く用意されているので、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

イベント概要

・名称:テクマトリックス CRM FORUM 2015
・日時:2015年2月17日(火)10:00~17:30(9:00より受付開始)
・会場:ザ・プリンスパークタワー東京(東京都港区芝公園 4-8-1)
・参加費用:無料(事前登録制)
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