米Facebookが"仕事用のFacebook"と呼べる新サービス「Facebook at Work」の提供を開始したことが明らかになった。現時点では一部のパートナーとのパイロットプログラムに近い提供になっている。
Facebook at Workは、社内のコミュニケーションやコラボレーション、プロダクティビティの向上にFacebookを利用するサービスだ。小規模・中規模のビジネスが主な対象になる。すでにFacebookを活用している会社は多いが、個人用のアカウントを仕事に使うと個人のアクティビティと仕事の切り分けが難しくなる。Facebook at Workは個人と仕事の切り分けを容易にする。
会社がFacebook at Workを契約すると、 [会社名].facebook.comにアクセスして社員がWorkアカウントを作成できるようになる。Workアカウントを個人アカウントに接続して、同じユーザー名/パスワードで2つのアカウントを切り換えて使うことも可能だ。Workアカウントは社内のWorkアカウント所有者にしか表示されない。Workアカウントの個人プロフィールには、雇用主が設定した情報(名前、役職、仕事用の連絡先など)が自動的に含まれる。さらに個人で情報を追加(プロフィール写真、カバー写真、コメントなど)してパーソナライズ可能。Workアカウントを設定すると、Facebook at Workのモバイルアプリ(iOS、Android)も使用できるようになる。
Facebook at Workの機能や使い方は個人向けのFaceookとほぼ同じだ。メッセージング、イベント、グループ、ニュースフィード、写真・ビデオなど、Facebookユーザーが普段使い慣れている機能とサービスで構成されている。例えば、投稿を共有する場合、共有範囲を「Only me」「Everyone」などで管理できる。Only meなら自分だけに表示され、全員と共有すると会社内のWorkアカウント所有者のニュースフィードに投稿があらわれる。雇用主と社員がFacebookに精通していたら、新しいサービスやツールの使い方を覚える必要はなく、習得コストがかからないのもFacebook at Workを仕事に導入するメリットの1つと言える。
Wall Street Journalによると、Facebook at Workに広告は表示されず、Facebookがユーザーのデータを収集することもない。有料サービスのみになる可能性が高いが、現時点で料金は不明だ。