日立ハイテクノロジーズは1月14日、分析計測装置を製造販売している100%子会社日立ハイテクサイエンスが、直径100μm以下の微小部のめっき膜厚や組成を、迅速・安全・容易に検査する蛍光X線膜厚計「FFT150/FT150h/FT150L」を開発し、販売を開始したと発表した。

同シリーズは、X線を集光するポリキャピラリを採用し、微小部のめっき膜厚測定を高速で行える高性能装置である。X線検出機構の改良により、プリント基板やコネクタなどに主に用いられるAu/Pd/Ni/Cu多層めっきの膜厚検査で、測定スピードを従来機と比較して2倍以上に高めている。さらに、「FT150h」では、新開発のポリキャピラリにより超小型チップ部品の端子めっき測定もできる。そして、従来機と同様に、筐体の構造をX線が漏えいするリスクが非常に少ない密閉型とし、作業員の安全・安心に配慮している。併せて、新たに設計した試料室扉は大開口にもかかわらず開け閉めが軽快で、かつ大型観察窓によりサンプルの出し入れや位置決めが容易にできる。また、操作ソフトはアイコンやナビ画面で操作性が高められていると同時に、自動データ記録などにより作業者の負荷を軽減する。この他、「FT150L」では最大600mm×600mmまでの大型プリント基板にも対応する。これらにより、「FT150」シリーズは高精度・迅速なめっき膜厚検査を実現し、検査工程の効率化とコスト削減に貢献するとしている。

今後、同社では「FT150シリーズ」をICパッケージ部品、小型チップ部品、微小コネクタ、プリント基板などのめっき膜厚や組成検査の需要に向けて国内外で販売を進めていくとコメントしている。

「FT150/FT150h」

「FT150L」