カメラのメガピクセル数は高いほどよい――間違いではないが、カメラの価値はメガピクセル数だけでは決まらない。とはいえ、店頭では、デジタルカメラの性能をメガピクセル数のみで説明されていることもある。技術の進化が急速に進み、さまざまな新技術や製品が出てきている現在、こうした通説が検証されることなく広まっている。

その結果、「投資に見合わない買い物をしてしまっている人もいるのではないか」とMakeTechEasierは指摘する。同誌が「7 Technology Myths That Cost You Money」で挙げている7つのIT製品にまつわる"通説"を見てみよう。

オープンソースソフトウェアは商用ソフトウェアより劣る

企業や組織でで利用するソフトウェアを検討する際、オープンソースのソフトウェア(OSS)を選択肢から外すのは間違っている。コミュニティが主導して開発してコードを公開するOSSは、企業が開発する商用ソフトウェアより劣るという説も聞かれるが、活発なオープンソースプロジェクトは多くのメンバーに支えられており、不具合の発見や新機能の開発・機能強化を共同で行っている。類似の商用ソフトウェアと同等あるいはそれ以上の機能を備えている場合もある。サーバOSのLinuxはその代表例と言えるし、モバイルOSとして圧倒的なシェアを占めるAndroidもOSSだ。

オープンソースは無償であり、多くのプロジェクトではサブスクリプションによる有償のサービスが提供されていることもある。自分たちのニーズに合わせて機能、料金、メンテナンスなどの手間を検証し、OSSと商用ソフトウェアをうまく使い分けたい。

カメラの品質はメガピクセルで決まる

デジタルカメラの性能を説明する際に頻繁に使われる用語「メガピクセル」。これは有効画素数のことで、点あるいはマスの数を示す。つまり、値が高いほど点(マス)が多いので撮影した写真はきれいになり、微妙な色合いが再現できることになる。

だが、写真を表示する側はそこまでの画素数に対応していないことが多い。PC側の画面はどうだろうか。18.5インチのWXGAモニタで1366x768=104万9088、つまり104万画素。壁紙にするなら、2.1メガピクセルで十分と言える。記事では、「2メガピクセルもあれば、4×5インチ判でクリアな写真が得られる」とのこと。現在のスマートフォンの多くが8メガピクセルカメラをメインに搭載しているが、「ほとんどの用途で十分だろう」としている。

自作PCは市販のPCより劣る

パーツを自分で組み立てて作る自作PCはショップで購入できるPCよりも劣ると思っているかもしれない。だが、10万円以下のコストで組み立てた自作PCが、10万円以上の価格のPCよりもハードウェアのスペック、機能、そして性能で上回る場合もある。

市販されているPCは一般的な用途を想定して設計されており、酷使することを想定したPCはなかなかない。さらには、市販PCには不要なアプリケーションがたくさん事前にインストールされていることが多く、これらが性能にマイナスになっているケースも少なくない。

高価なセキュリティソフトほどウイルス対策に効果がある

Windowsを利用する際、ウイルス対策ソフトウェアは必須と言える。だが、値段と機能は必ずしも比例しない。1万円近くするウイルス対策ソフトもあるが、無償で公開されているウイルス対策ソフトでもウイルスやマルウェアの検出という点では、劣っていないという。

重要なことは、ユーザーがあやしいリンクをクリックしたり、実行ファイルを開いたりしないことだ。その場合、いくら高価なセキュリティソフトをインストールしていても、ウイルスやマルウェアの感染は免れられない。

電子デバイスに保証は必要

PC、スマートフォン、その他の電子デバイスを購入する消費者に対し、有償で保証期間の延長サービスを提供する小売店がある。だが、必要かどうかは一考の価値があるという。

すぐに消耗してしまうような機器には不要かもしれないし、保証の内容が乏しいと使えない場合がある。機器をどのぐらい使うのか、新しく買う場合のコスト、保証内容などさまざまな点から検討したい。MakeTechEasierのライターは「iPhoneでは不要だが、Macでは必要」と自身のポリシーを説明している。

モニタは大きいほど画面が鮮明

PCやTVの画面は、大きければよいというものではない。先にカメラの画素数の説明でも触れたが、同じ解像度で画面サイズが大きくなると、画像が荒くなる。モニタを買う時はサイズだけでなく、画素数にも注意を払いたい。記事では、30インチ以上なら、最低でも2048×1152(理想は2560×2048)を推奨している。

HDMIケーブルは高価なものほど品質がよい

HDMIケーブルの価格はさまざまで、安いものなら500円を切るし、一方で2000円代のものもある。記事によると、「高いものも安いものも画面に映る動画の品質にほとんど差はない」という。