米調査会社の米Gartner(ガートナー)は1月9日、2014年の世界半導体市場の売上高が前年比7.9%増の3398億ドルになるとの見通しを発表した。
2014年も、前年に引き続きDRAM市場が活況となり、半導体市場を牽引した。DRAM市場は供給不足が続き、価格が高止まりしたため、売上高が前年比31.7%増となった。また、2014年は2013年とは異なり、ASIC、ディスクリートやマイクロコンポーネントなどの主要製品がプラス成長となった。2014年のメモリ製品を除いた半導体売上高は前年比5.4%増となり、2013年よりも0.8%高くなっている。
一方、企業別ランキングでは、上位25社の合計が前年比11.7%増と、市場全体よりも大きな成長率となった。これにより、上位25社の市場全体に占める割合は、2013年の69.7%から2014年は72.1%となった。Intelは、2年連続のマイナス成長から転じて前年比4.6%増となり、23年連続で首位の座を確保した。同社は2014年に組織改革を行い、新しい5つのビジネスセグメントに分かれた。その中で、データセンター・グループの売上高が引き続き安定している。また、2014年には、4000万個のタブレット向けプロセッサを出荷することを目標に掲げ、それを達成する見込みだが、値下げとインセンティブの付加を余儀なくされた。PC向けではAMDから引き続きシェアを奪い、出荷数量を伸ばしたものとみられるという。
このような中、SK HynixやMicron Technologyなどのメモリベンダーは売上高を伸ばし、ランキングを上げている。2年連続で高成長となるSK Hynixは、売上高の80%がDRAMとなっている。Micron Technologyは前年比41.0%増となり、順位を1つ上げた。2013年にエルピーダメモリを買収したことが、上位25社の中で最も高い成長を遂げた企業の1つとなった要因であるとしている。
日本メーカーでは、東芝が前年比2.8%増の6位となった。日本企業の売上高は、2013~2014年にかけての6.6%の円安の影響で、ドルベースに換算した場合はマイナスに振れることになる。東芝は、NAND型フラッシュの売上高はスマートフォン向けが好調に推移したものの、価格が下落したためほぼ横ばいで推移した。一方、システムLSIやディスクリートでは、車載、産業向けやモノのインターネット(IoT)向け製品を強化している。
ルネサス エレクトロニクスは、前年比9.1%減となり、2013年と同じ10位となった。前年に引き続き、産業機器向けおよび自動車機器向けの売上高は伸びた。しかし、LCDドライバ事業を売却するなど非中核事業からの撤退をさらに進めた結果、通信機器向けやデータプロセシング機器向け、そして民生機器向けでは売上高を落とした。
この他、従来型PC市場は、2013年に10.1%のマイナス成長となったが、2014年は若干のプラス成長になったと予測している。スマートフォン市場は引き続きプラス成長となったが、製品の構成がプレミアムスマートフォンからベーシックやユーティリティスマートフォンにシフトした。2014年のタブレット市場は前年に比べて大きく減速したとしている。