STMicroelectronicsとコンテンツの識別・管理・収益化に関する技術・ソリューションを展開するCivolutionは1月7日、デジタルコンテンツの不正共有を検出し、著作権侵害の防止に役立てるため、STのUltraHD(4K)対応セットトップボックス(STB)用SoC「Cannes/Monaco」に、Civolutionのフォレンジックウォーターマーキング技術「NexGuard」を統合すると発表した。
フォレンジックウォーターマーキングは、映画、動画、その他コンテンツなどのメディア資産に独自の極小識別コードを埋め込む手法である。保護対象のコンテンツに独自のIDを分散して埋め込むことにより、コンテンツの内容と所有者の識別が可能になる。また、コンテンツの所有者と使用者間での契約コンプライアンスの遵守を目的としても使用され、もし悪用があった場合、その証明と漏洩元のリンク情報を提供する。STは、「Cannes STiH314/318」および「Monaco STiH414/418」にCivolutionの「NexGuard」を統合することにより、デジタルコンテンツの著作権侵害に対する強力な抑止策を備えた、STB用チップセットの提供が可能になる。
また、「Cannes/Monaco」は、すでに限定受信方式(CA)とデジタル著作権管理(DRM)システムに対応しているため、放送やインターネットの次世代4K TVサービスの効率的な伝送が可能になっている。今回、Civolutionの「NexGuard」が加わったことにより、MovieLabsガイドラインへの適合が実現する。MovieLabsガイドラインは、4Kコンテンツの配信・再生プラットフォームに対し、映画コンテンツを保護するための暗号化処理、セキュア・メディア・パイプライン、および、ハードウェアによるルート・オブ・トラストに加え、サーバ上またはクライアント側においてビデオにセキュアなマークを付けることで著作権侵害の検出と侵害現場の特定を容易にするフォレンジックウォーターマーキング技術をサポートすることを求めているという。