NTTファシリティーズは12月26日、照明器具の消費電力を削減可能な無線個別調光照明制御システム「FIT LC」を発表した。
近年、オフィスビルでは省エネと快適性の両立が求められ、照明においても必要な場所に必要な照度をきめ細やかに制御することが求められている。さまざまな企業が独自技術により、高度な照明制御システムを開発し、市場に導入されているが、照明器具と照明制御装置が同一メーカー製品であることが推奨され、安価な製品を選択できないものが大半である。そこで今回、NTTファシリティーズはアイリスオーヤマ、メガチップス、日比谷総合設備と共同で、安価かつ全メーカーに対応しながら、大幅な省エネ性能を実現した無線個別調光照明制御システムを開発したという。
具体的には、1灯ごとの手動または自動による制御、および昼光利用や不在時消灯の自動制御により、制御を行わない場合と比較して最大70%の消費電力削減を実現した。主な自動制御機能として、明るさセンサによるオフィス環境に合わせた昼光利用制御や適正照度制御、人感センサや入退室セキュリティシステム、スケジュールシステムとの連携による不在時消灯やスケジュール制御が採用されている。また、無線帯域には通信距離や回り込み特性に優れ、消費電力の少ない920MHz帯が採用されており、コントローラから50m以上離れた照明器具と通信できる。
さらに、照明制御プロトコルにはDALI、調光制御方法にはDALIまたは国内で主流のPWM制御を採用することで、さまざまな照明器具メーカーの製品制御が可能となり、選択の幅が広がった。そして、ビルエネルギー管理システム(BEMS)と連携することにより、空調設備の制御や電力量の見える化などの機能拡張が可能となっている。この他、建物のリニューアル時やオフィスレイアウト変更時には、設定変更のみで点滅区分の変更が可能なため、信号配線工事が不要となり改修費用を抑制できる。
なお、同システムは照明器具に無線を受信するモジュールを接続することで、さまざまなメーカーの照明器具に対応することができるが、無線受信機能をあらかじめ搭載した照明器具をアイリスオーヤマがラインナップしている。同製品は、各種センサに対応した自動制御機能を省き、スマートフォンなどによる無線制御に機能を特化することで、ゲートウェイなどを用いない安価なシステムを構築することができるという。