フィリップス エレクトロニクス ジャパンは12月25日、新型FPD(フラットパネルディテクタ)搭載モバイルCアームシステム「Veradius Unity」を発表した。
同製品は、第3世代のFPD搭載機種で、手術室での使用に際し、既存のシステムで抱えていた問題点を改良した。手術室におけるモバイルCアームに対する改善要求で、一番に挙げられるのがワークフローの改善である。そこで今回、より迅速に、より正確なポジショニングのための新機能を追加した。ポジションメモリ機能は、術中のキーのCアームのポジションを記憶し、操作モニタ上に色分けされたそれぞれのCアーム稼働部位に調整するだけで容易に目的のCアームポジションが再現できるという。また、術中に微調整したい場合もフラットパネルに記された12時、3時、6時、9時の情報がそのままモニタ画像上にリンクして表示され、術者とCアーム操作者との間のコミュニケーションを円滑にするとしている。
また、全身の様々な部位に対する手技はそれぞれ最適な撮影条件設定がある。従来は、これらを目的部位ごとに手技名で記憶させ呼び出していたが、同製品では目的部位の解剖学的な領域をモニタ画面上から選択するだけで簡単にセッティングが完了する。それぞれのパラメータは必要最低限の被ばく線量でコントロールされ、目的にあった高画質が再現されるので、操作者の技量によらず常に安定した画質と被ばくコントロールのもとで手技を行うことができる。さらに、ディスプレイにタッチスクリーンモジュールを搭載し、操作性を向上させている。
この他、モバイルCアームシステムでありながら大視野を有するため、ステントグラフトを用いた腹部大動脈瘤の治療や脳神経外科分野の血管内治療にも威力を発揮する。そのため、最近脚光を浴びているハイブリッド手術室(Hybrid OR)に導入するX線診断装置の強力な候補になるという。
なお、希望販売価格は1億6000万円(税込み、仕様により異なる)。国内初年度の販売目標台数は約20台を見込んでいる。