ザインエレクトロニクスは12月25日、LVDS入出力が可能なモータドライバ「THM3561」を発表した。
同製品は、LVDSによる差動信号を用いた入出力が可能なため、優れたノイズ耐性を持ち、高速・長距離伝送が可能な他、同社のLEDドライバなどと組み合わせて使用することにより、モータドライバやLEDをカスケード接続またはマルチドロップ接続することができる。これにより、モータやLEDインディケータを複数個用いるシステムの内部配線を極めてシンプルにできる。
さらに、同製品を複数個接続する際には、2ペアのケーブルのみですべてを制御することができ、配線の簡素化と省スペース化、工数を含むコスト削減が可能。このため、例えば、最長3m間隔でカスケード接続した場合、約100mに渡り30個のモータを2ペアのケーブルのみで制御および信号伝送できるので、大型工作機械や工場の制御ロボットなど、長距離伝送が必要なアプリケーションに加え、両手指で30個の指関節が必要なヒューマノイドロボットのモータ制御などの分野で、ケーブル配線数を大幅に削減した、簡素なシステム設計が可能となる。
また、位置検出用センサ信号をコントローラに戻すためのシリアルインタフェースを内蔵しており、IoT(Internet of Things)の活用に伴って拡大するセンサの信号に対応したモータ駆動が可能で、部品点数を大幅に削減しながら簡素なシステムで実現することができる。
この他、モータと同様にコイルと鉄芯・永久磁石を用いた電磁機器で、電流を直線運動などに変換するソレノイドの駆動にも同製品を適用できる。ソレノイドは大トルク、高速運動、高速応答が必要な機構で広く活用されており、「THM3561」は4チャネルのソレノイドを独立駆動することが可能。家電・民生機器、電子錠、事務機器、光学シャッタ、高電圧対応電磁スイッチ(リレー)、工場ラインの整列・不良製品排出に必要なスーパーストローク機構、バルブ駆動、カードリーダ、自動改札機、自動販売機などで、内部のソレノイドの駆動制御と内部配線の簡素化が可能である。
なお、パッケージは7mm角の48ピンQFN。2015年1月よりサンプル出荷を開始する。