独ハイブリスソフトウェア(ハイブリス)は12月19日、RSRの「2014年版小売業のオムニチャネル:2つの課題(Omni-Channel Retail 2014:Double Trouble)」の調査結果を公開した。
調査は、小売業者のオムニチャネル戦略を取り巻くビジネスの牽引要素やチャンス、組織における制約に関して分析を行ったもの。
これによると、コマースを次のレベルへと進化させるにあたり、昨今の小売業者が直面している最大の課題は、「在庫と受注の管理機能を適切に実現すること」だという。
小売業者の93%は、オムニチャネル・フルフィルメント戦略を遂行する上で最も重要な性能として、システム全体の在庫の可視性を挙げる一方、実現できている割合は、わずか45%に留まっているとする。さらに、すべてのチャネルを横断したシステムを同期し、全体在庫の可視性を実現している割合は、39%まで下がる。
また、調査では3つの重要な結果を明らかにした。
1つは、小売業の勝ち組企業は、デジタル分野の取引による販売拡大と、リアルな店舗での販売拡大という、2つの目標を念頭にデジタル体験をデザインしていること。
次いで、オムニチャネル・フルフィルメントは、小売業者の最優先事項で、回答者の53%は、顧客の選択したチャネルで商品の購入・配送・返品が可能な環境の実現を求めていること。
最後に、フルフィルメントの俊敏性を高めるには、運用システムとプロセスを修正し、時間と場所を問わず買い物ができる、という消費者の期待を効率的にサポートする必要があるということだという。
このほか同社は、調査から明らかになった点として、オムニチャネル分野で秀でている小売業者は、デジタルとリアルな世界の本質的なつながりを認識しており、こうした理解は、顧客がどうエンゲージするかに関わらず、資産を有効活用する上で重要だと説明する。