Infineon Technologiesは、1200V~6.5kVの電圧クラスの高電圧IGBTでパフォーマンスを向上できるよう設計された、2種類のパワーモジュールプラットフォームの提供を開始すると発表した。
高信頼性・高性能のIGBTモジュールは、産業用/鉄道駆動装置、風力/太陽光発電システム、長距離送電の高効率化に貢献している。また、IGBTは、この20年以上、チップ技術の発展により、標準的なパッケージング技術にほとんど修正を加えることなく、エネルギー効率の向上や動作温度の上昇に加え、小型化、信頼性、コスト削減の需要に対応してきた。しかし、アプリケーションの環境に対する要求と苛酷さは厳しさを増す一方で、こうしたアプローチが限界に近づきつつあり、ハイパワーモジュールのパッケージング技術の革新が、パフォーマンスを継続的に向上させる上で鍵となっている。
今回の新型モジュールプラットフォームは、高電流密度、エネルギー効率、長寿命化、堅牢性に関する新たなシステム要件に対応する。その柔軟なコンセプトにより、類似の部品を並列的に接続できるため、DCリンクターミナル/キャパシタの接続がシンプルになる。例えば、ACターミナルは、1種類のバスバーと並列的に接続が可能である。さらに、新型モジュールの優れた柔軟性と拡張性により、システム設計は大幅に簡素化されるため、市場投入期間の要件に対応できる。こうした最新のパッケージ技術を活用することで、新型ハイパワーモジュールでは、全体的なシステムコストの削減に寄与しつつ、設計の将来性も保証されることになる。
現在、同社は新型モジュールのメリットを幅広く活用可能な環境を実現するため、IGBTパワーモジュールのプロバイダに対し、設計の無償ライセンスを提供している。なお、同プラットフォームコンセプトを使用した製品の第1弾としては、100mm×140mm×40mmサイズの新設計パッケージを採用した3.3kV(450A)、4.5kV(400A)、6.5kV(275A)の電圧クラスの製品を予定している。また、低電圧クラス向けのパッケージ設計も現在開発中。