Infineon Technologiesは、Arduino設計コミュニティ向けのRGB照明およびモータ制御を対象としたシールド2種類を発表した。
両シールドとも、Arduino Uno R3と互換性があり、32ビットマイコン「XMC1000」ファミリを搭載した「XMC1100 Boot Kit」と組み合わせて使用できる。「XMC1000」はすべて、ARM Cortex-M0プロセッサが搭載されている。Arduino向けRGB LED照明シールドには、マイコン「XMC1202」が搭載され、そのマイコンに搭載されているLED照明制御用の輝度色彩制御ユニット(BCCU)によって制御されている。また、Arduino向け高電流DCモータ制御シールドには、モータ制御用の内蔵ハーフブリッジドライバである「NovalithIC BTN8982TA」が搭載されている。なお、Arduinoは、オープンソースのハードウェアとソフトウェアのコンポーネントを用いた演算プラットフォームであり、電子プロトタイプの設計を迅速・簡単に行うことが可能である。
具体的には、RGB LED照明シールドは、Arduino向けのインテリジェントな評価ボードであり、各種LED照明エンジンを採用した、短期間でのプロトタイプ作成と低価格での評価が保証される。また、3つの独立した出力チャネルを搭載しており、マルチカラーLEDをちらつきなしに制御できる他、照明レベルに関わらず、エネルギー消費量を抑えた形で完全な調光制御を実現するなど、高品質カラーに必要な要素をすべて備えている。そして、BCCUの自動ハードウェアエンジンを搭載することで、コスト重視の柔軟性に優れた高品質なLED照明ソリューションとなっている。さらに、構成も容易なため、調光・色混合をスムーズに行える。加えて、照明/オーディオノード用のDMXインタフェースや、動き検出用の24GHzレーダセンサなどを使用した拡張にも対応する。
一方、Arduino向け「BTN8982TA」搭載のDCモータ制御シールドは、DCモータ制御設計において、迅速かつコスト効果に優れたプロトタイプ作成が可能となり、ハーフブリッジとフルブリッジのモータ制御アプリケーションの試験も容易に行える。また、単方向型のDCモータ2個と、双方向型DCモータ1個を駆動可能。さらに、モータ駆動アプリケーションに最適化された、完全集積型高電流ハーフブリッジドライバ「NovalithIC BTN8982TA」を2個実装している。「NovalithIC BTN8982TA」は、pチャネルハイサイドMOSFETとnチャネルローサイドMOSFETの2個のパワーチップと、電源の制御・監視用のロジック回路を1個搭載した内蔵ドライバICを単一のパッケージに集積している。その他の特徴としては、電流センス機能付きの診断機能、スルーレート調整機能、デッドタイム生成機能の他、過温度、過電圧、過電流、短絡の保護機能を有している。そして、「NovalithIC BTN8982TA」にはロジックレベルの入力インタフェースが搭載されており、マイコンとのインタフェース接続も容易に行える。
また、「NovalithIC BTN8982TA」は、保護機能付き高電流PWMモータ駆動装置を対象とした、コスト面で最適化されたソリューションであり、基板面積も抑えることができる。さらに、Arduino向け「BTN8982TA」搭載DCモータ制御シールドは、30kHzの高周波PWMなどを処理可能。同シールドは、最大250Wの連続負荷(例:12V/20A)のブラシ付きDCモータ制御をサポートしつつ、「BTN8982TA」の電流制限機能により最大55Aのピーク電流に対応できる。
なお、2015年1月末までの期間、Arduino向け「XMC1202」搭載RGB照明シールドと、Arduino向け「BTN8982TA」搭載DCモータ制御シールドは、Farnell element14社とNewark element14社より購入できる。その期間以降は、Infineonと同社のディストリビュータからも提供される。