ロームは12月17日、スマートフォンやタブレットなどのディスプレイ搭載機器向けに、周囲光のRGB成分、色温度や照度を検知するカラーセンサ「BH1745NUC」を発表した。
近年、周囲のRGB成分を分析して自動でディスプレイ画像を調整したり、照度に応じてディスプレイのバックライトを調光するために、スマートフォンやタブレットなどのディスプレイ搭載機器にカラーセンサの導入が始まっている。従来のカラーセンサはRGBなどの可視光をしっかりと検知するため、透明の光学窓が使用されていたが、デザイン性の高まりを受け、筐体に合う暗い光学窓が求められるようになってきた。しかし、暗い光学窓を使用した場合、可視光を通しにくくなることで、可視光の情報が赤外線の情報に埋もれてしまい、正確な色味を検知できなくなるという課題があった。
そこで今回、独自の赤外線除去技術と演算方式など、長年培ってきた光センサ開発のノウハウを駆使し、暗い光学窓にも適用可能なカラーセンサを新たに開発した。これにより、業界最高の赤外線除去特性を実現することで、赤外線の影響を従来比で1/10以下とし、可視光だけを効率良く抽出できるようになった。そして、デザイン性を重視した暗い光学窓を使用しても可視光だけを検知することで、さまざまな照明に対して、照度、色温度をより正確に算出することができるようになったという。
なお、サンプル価格は300円(税抜き)。9月よりすでにサンプル出荷を開始しており、2015年4月から当面月産50万個体制で量産を開始する予定。生産拠点は前工程がローム(京都市)、後工程がROHM Electronics Philippinesである。