EMCジャパンは12月17日、企業のハイブリッドクラウド環境構築をサポートする「EMC Enterprise Hybrid Cloudソリューション(EHCソリューション)」の提供を開始した。

「EMC Enterprise Hybrid Cloudソリューション(EHCソリューション)」はクラウド移行を支援するソリューション

EHCは、企業が新たなビジネスモデルやサービスを迅速に開発、提供するためのクラウド環境を利用するために、適切な技術の選択や人材の育成などの様々な課題を解決していくためのソリューション。プライベート、パブリック両方のクラウドサービスを柔軟に利用することができる選択肢を企業に提供する。

最適な選択肢を提供するため、組み合わせをあらかじめ定義した「セルフサービステンプレート」や迅速な構築をサポートするための「ワークフロー」を提供。これにより、クラウド環境導入の俊敏性を確保する。同社によれば、EHCを利用すればハイブリッドクラウド環境を4週間で導入可能だという。

クラウド環境導入の俊敏性を確保するため「セルフサービステンプレート」や「ワークフロー」を提供

EMCジャパン 執行役員システムズ エンジニアリング本部長 飯塚力哉氏

EMCジャパン 執行役員システムズ エンジニアリング本部長 飯塚力哉氏はEHCについて、「企業は新しいビジネスモデルをいかに早く立ち上げるかに課題をもっており、それには新しいIT環境を早く立ち上げ、ITリソースをいかに効率的に利用するかが重要なポイントなっている。すなわちアジリティ(俊敏正)が重要だ。クラウドはパブリックもプライベートも年々成長しているが、ITリソースを最適化するには、仮想化を追求していくのがあるべき姿だ。そのためには、クラウドを適材適所、あるいはいかにプライベートクラウドをパブリッククラウドに融合させていくかが重要なテーマになる。一方、クラウドへの移行への課題として、ITリソースのサイジングが難しい、運用のプロセスが難しい、他システムとの連携、セキュリティ担保が課題になっており、企業はそれに対応するために必要な技術者の育成やナレッジの蓄積に課題を抱えている。それを解決するのが『EMC Enterprise Hybrid Cloud(EHC)』だ。 EHCの一番のポイントは短期間でクラウドを導入できることだ。」と説明した。

「EMC Enterprise Hybrid Cloud」は、ハード、ソフト、サービスの組み合わせで提供される。

「EMC Enterprise Hybrid Cloud」のコンポーネント

ハードウェアはEMCのストレージ、シスコのネットワークおよびサーバ、VMwareの仮想化環境を組み合わせたVCEのVBLOCKを利用。来年にはEMC VSPEXや他社製品の利用も可能にする。これらはテスト・検証されたエンジニアリングソリューションで、統合されたインフラとして提供。出荷時に構成・設定が行われる。

VBLOCKとVSPEXをサポート

サービスとしては、新技術の評価支援、実機検証、導入構成の確定を支援する「EHCアーキテクチャ&デザインサービス」、詳細設計やインストールテスト、既存環境からの移行を支援する「EHCインプリメンテーションサービス」、最適なクラウド運営設計や継続的な改善提案する「EHCオプティマイゼーションサービス」、運用定着化支援などを行う「EHCオペレーションサービス」などのほか、エデュケーションサービス(今後提供)やEMCカスタマーサービスの単一窓口によるサポートを提供する。

EHCサービス

12月17日に提供されたのは、EMCやVMwareの製品を中心に構成された「SDDC Editon」だが、2015年には、Windows Server Hyper-VインフラストラクチャをMicrosoft Azureと簡単に統合できる「Microsoft Editon」のほか、OpenStackテクノロジーを基盤に構築した「OpenStack Editon」も提供される予定だ。なお、価格は個別見積もり。

「SDDC Editon」

2015年には「Microsoft Editon」や「OpenStack Editon」も提供される予定