Texas Instruments(TI)は12月15日、ステッピングモータとブラシ付きDCモータのスピンアップ時間を数秒に削減でき、モータの駆動調整を大幅に簡素化する12Vモータドライバファミリ「DRV8846/8848」を発表した。
「DRV8846」は、アダプティブ電流制御機能により、負荷状態に応じて電流制御の動的な変更が可能で、各種設定が不要となっている。これにより、システムレベルの調整とデバッグが不要になり、最終製品を迅速に市場投入できる。さらに、1/32マイクロステッピングインデクサと、アダプティブ電流制御技術の組み合わせにより、電流リップルを最小レベルに抑え、円滑で高精度のモーションプロファイルと可聴ノイズの低減を実現している。
一方、「DRV8848」は外付けの電流検出抵抗なしで動作可能で、電源デカップリングコンデンサ以外の外付け部品が不要となっている。そして、抵抗の内蔵と、オンチップ電流レギュレーション機能の採用により、モータの動作精度を向上させている。
また、両品種とも、過電流保護、過熱シャットダウン、UVLO(電圧低下ロックアウト)などの保護機能の他、故障状態のフィードバックなどの診断機能の搭載により、モータドライバとモータを保護し、3Dプリンタ、IPセキュリティカメラ、冷蔵庫のダンパー制御、冷暖房空調機器(HVAC)、ホームオートメーション機器やロボット型掃除機など、幅広いモータ駆動機器の設計の簡素化とシステムの信頼性向上を実現している。
なお、「DRV8846」は4mm角の24ピンQFNパッケージで供給され、価格は1000個受注時で1.50ドル。「DRV8848」は5×6.4mmサイズの16ピンHTSSOPパッケージで、価格は1000個受注時で1.30ドルとなっている。