島津製作所と住商ファーマインターナショナルは12月15日、小動物用近赤外蛍光イメージングシステム「可搬型in vivo蛍光イメージングシステムSAI-1000」のアプリケーションの共同開発に一定の成果が得られたことから、同装置の販売契約を締結したと発表した。
蛍光イメージングとは、蛍光ラベル化されたプローブを生体内のターゲット分子や細胞・臓器に集積させ、生体物質の発現、細胞・臓器の機能、プローブの動態を体外から空間的・時間的にモニタリングする技術である。現在、がん転移メカニズムの解明や再生医療など、実験動物を用いたライフサイエンス研究に必要不可欠な技術となっている。
同製品は、従来の近赤外蛍光イメージングで用いられている700~800nmの波長帯よりも、さらに長い1000nm以上の近赤外域を使用したイメージングシステムで、生体組織による光散乱および光吸収の影響を軽減し、従来にない高解像度で高精細なイメージングを実現している。さらに、動物管理区域などに持ち込んで迅速に測定したいというニーズに応え、一人でも移動が可能なコンパクトなサイズと重量も兼ね備えている。
今後、島津製作所から住商ファーマへ装置を供給し、住商ファーマは国内の販売網および販売店を通じて市場展開を行う。住商ファーマは、国内のin vivoイメージング市場で培った豊富な経験と長年の顧客層を元に、当初3年間で20台の販売を目指す。価格は2500万円(税抜き)。また、将来的な海外展開についても両社で検討を行う予定。