理化学研究所(理研)は12月15日、理研仁科加速器研究センターとインドネシア・ハサヌディン大学との間で、重イオンビーム育種技術を用いたインドネシア在来作物の品種改良と変異特性の解明に関する研究協力覚書を締結したと発表した。
仁科加速器研究センターでは、重イオンビームを植物の種などに照射して、突然変異を発生させ、対象物の高付加価値化を図る研究を行っている。一方のハサヌディン大学では、古いイネ品種を集めて保存しており、それらの品種が耐病性、機能性成分や香りなど有用な形質を有していることを指摘していた。しかし、古い品種は収量が低く、栽培期間が長く新しい栽培方法には適していないという問題があった。
同研究では今後、ハサヌディン大学が提供する在来作物に、重イオン照射をすることで、在来イネ品種が有する希少な形質を保持した新品種を開発していくとしている。