STMicroelectronicsは12月12日、ARM Cortex-M0を搭載し、自由度の高いシステム構築を実現する32ビットマイコン「STM32F091」を発表した。
同製品は、オーディオや3相電力メータなどの広範なアプリケーションにおいて、システム構成の自由度を向上させる最大8個のUSARTと大容量メモリを搭載し、コスト要求の厳しいアプリケーションにおけるリソースの制約に対応する。
具体的には、Javaスタックの実装に十分な最大256KBのフラッシュメモリと32KBのSRAMを内蔵しており、従来はハイエンドのマイコンを実装した大型で高価なシステムでしか対応していなかったJavaプラットフォームベースの開発が、より小型・低コストのアプリケーション開発でも実現可能になる。さらに、低コストの48ピンパッケージも含め、全品種に6個以上のUSARTが搭載されている。このうち、3個はスマートカード、LIN、IrDA、Modbusの各モードに対応している。
加えて、柔軟な電源アーキテクチャを持ち、12ビットA/Dコンバータ(ADC)や2チャネルの12ビットD/Aコンバータ(DAC)といったアナログ回路を最大3.6Vで動作させる一方、デジタル回路は内蔵レギュレータを使用して低電圧で動作させるため消費電力が最小限に抑えられる。また、I/Oを独立電源にできるため、レベルシフタを使用せずにアプリケーションプロセッサの低電圧コンパニオンチップに直接接続することが可能である。
この他、CAN 2.0A/Bのサポート、内蔵タッチセンサコントローラや、リアルタイム制御を実現するSysTickタイマ、および時計・カレンダ機能に使用可能なリアルタイムクロックなど、コンシューマ機器から産業用機器まで広範なアプリケーションに対応する機能を集積している。
なお、同製品は48/64/100ピンの各種パッケージで提供される。サンプル価格は、128KBのフラッシュメモリ、48ピンLQFPパッケージを採用した製品で約1.59ドル。