Microchip Technologyは12月11日、コンシューマオーディオ製品向け第4世代JukeBloxプラットフォームを発表した。
同プラットフォームにより、スタンドアロンまたはマルチルーム無線スピーカ、AVレシーバ、ミニおよびマイクロシステム、サウンドバーなど、高品質かつ低遅延の製品を開発できるようになる。同プラットフォームは、JukeBlox 4ソフトウェア開発キット(SDK)とWi-Fi/Bluetoothネットワークメディアモジュール「CY920」で構成されており、次世代デュアルバンドWi-Fiテクノロジ、MultiZone/マルチルーム機能、AirPlay、DLNA接続、内蔵音楽サービスが含まれている。そして、各種コスト削減機能を使って部品コストを抑えることにより、低コストのコンシューマ製品を開発できる。
また、「CY920」は2.4/5GHz 802.11a/b/g/n Wi-Fi、ハイスピードUSB 2.0、Ethernet接続機能を内蔵した同社の低コストWi-Fiネットワークメディアプロセッサ「DM920」をベースにしている。これにより、電波が混雑しがちな2.4GHz帯ではなく5GHz帯を使うことにより音声の途切れが少なく、マルチルームオーディオシステムではより多くのスピーカをサポートできる。この「DM920」は300MHz動作のDSPコアを2個内蔵しているため、高価な外付けDSPチップを不要にすることもできる。加えて、15バンドイコライザ、マルチバンドダイナミックレンジ圧縮、イコライザプリセット、各種フィルタタイプを含む標準のスピーカチューニングDSPアルゴリズムがあらかじめ作成済みであり、これらをPC上のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)で簡単に利用できる。このため、DSPのコーディング経験がなくても回路設計にDSPを簡単に実装可能となっている。一方、DSPに関する経験が豊富なら、業界標準DSPアーキテクチャの能力を最大限に引き出すことができる。
さらに、JukeBlox 4を利用すると、Spotify Connect、Qobuz、Rhapsody、Deezerなど多くのクラウドベースの音楽サービスを直接ストリーミング可能なソリューションを開発できるのに加え、モバイル機器をリモコンとして使うことができる。これらのソリューションでは、モバイル機器を持ってWi-Fiネットワーク内のどこに移動しても途切れることなく音楽を再生でき、バッテリ動作時間も大幅に延長できる。この他、iOS、Android、Windows 8、Macの各種プラットフォームをシームレスにサポートするとともに、各種オーディオコーデックにも対応し、ネットワークの設定を簡単に行える機能も備えている。
なお、JukeBlox 4 SDKと「CY920」は、すでにサンプルおよび量産出荷が開始されている。