パナソニックは12月11日、可視光通信技術を発展させ、光IDをスマートフォン搭載のイメージセンサーと専用アプリを用いて高速受信する技術を独自に開発したと発表した。
光IDとは、LED光源の高速点滅により情報を送ることができる可視光通信技術を発展させ、その光源から発信されるさまざまな情報を搭載したID信号。QRコードやARマーカーなどの画像読み取り方式とは異なり、受信時に読み取り位置を合わせたり複雑な画像を認識処理したりする手間が不要のため、光IDをすばやく受信できる。
従来の可視光通信方式を利用した光IDをスマートフォンを用いて読み取るためには、スマートフォンへ専用の受光器をスマートフォンを装着する必要があることや、データ送受信行えない低速(約10数bpsレベル)でしか行えないなどの制約条件があった。
今回、発表された独自方式技術を利用すると、スマートフォンに専用のアプリケーションソフトをインストールするだけで、スマートフォンとデジタルサイネージ、LED照明などの光IDの発信機器との間での光ID送受信ができる。また、従来の数百倍の通信速度(数キロbps)での高速送受信が可能だ。
パナソニックは、同技術の実用化に向け、三越伊勢丹ホールディングスと 伊勢丹新宿本店の協力を得て、一部の黒客向けにこの光IDを用いた情報提供サービスの試行体験会を実施する。
さらに、2015年1月に北米ラスベガスで開催される「2015 International CES」に参考出展を行い、同技術を用いた「光ID発信機器」の2015年度商品化を目指す。