ロームは12月11日、スマートフォンやウェアラブル機器、活動量計などに向けて、高度や高低差検出に利用できる気圧センサ「BM1383GLV」を開発したと発表した。
近年、スマートフォンやウェアラブル機器などに向けて、GPSのような平面の位置検知から立体的な位置検知を可能にし、インドアナビ用の高度検出や活動量の高低差検出機能を付加するために、気圧センサの導入が始まっている。気圧センサには、用途が拡がるにつれて、より高精度な気圧検知・高度検出が要求されるようになっている。また、従来の気圧センサは低温時での気圧検出精度を追求することが難しいという課題があった。
同製品は、高精度な検出用MEMSと低消費電力かつ高精度なA/Dコンバータ(ADC)を搭載し、業界最高クラスの相対高度精度±20cm(相対気圧精度±0.024hPa)を実現した。また、高低温まで網羅した独自の補正演算アルゴリズムによる温度補正をIC内部で行うことで、低温時にも高精度な気圧検出ができるようにした。これにより、外部のマイコンに温度補正機能を搭載する必要がなくなるため、設計負荷の削減にも貢献するとしている。この他、長年培ってきたセンサ開発のノウハウを駆使して、センシングブロックと演算ブロックを小型化し、温度補正機能内蔵の気圧センサとしては業界最小クラスの2.5mm×2.5mm×0.95mmサイズのパッケージを実現した。
なお、サンプル価格は800円(税抜き)。11月よりサンプル出荷を開始しており、2015年4月から当面月産50万個体制で量産を開始する予定。生産拠点は、前工程がローム本社(京都市)、後工程がROHM Electronics Philippinesである。