STMicroelectronicsは12月3日、開発環境「STM32 Open Development Environment」を発表した。
この開発環境は、32ビットマイコンである「STM32」ファミリと、IoT(Internet of Things)をはじめとするアプリケーションに必要な機能を提供する先進的な各種ST製品を組み合わせることで、製品の開発効率を向上させるものである。
「STM32」の開発ボードである「STM32 Nucleo」に、センサ、システム制御、通信、電源、オーディオなどといった機能を有する専用プラグイン拡張ボードを組み合わせることで、開発を始めることができる。これにより、最終設計にも利用できる各種製品を使用し、迅速な試作開発が可能なハードウェアプラットフォームを構築できるとしている。現在、拡張ボードは、モーションセンサ、環境センサ、Bluetooth Smart、モータ制御、近距離無線通信(NFC)に対応した製品がラインナップされている。さらに、バッテリ管理、Wi-Fi、Sub-GHz通信、照度・近接検知、オーディオ機能に対応した拡張ボードも、2014年末に提供が開始される予定。
また、無償ソフトウェアツールパッケージである「STM32Cube」は、IARのEWARM、KeilのMDK-ARM、GCCベースのIDEなど、一般的な統合開発環境上で動作可能で、追加ソフトウェアのダウンロードや「STM32 Nucleo」の設定により、選択した拡張ボード上に任意の機能を構築し、実行することができる。そして、「STM32Cube」の拡張ソフトウェアは、「STM32 Nucleo」の全拡張ボードに無償で付属されており、「STM32Cube」ソフトウェアフレームワークと互換性がある。加えて、「STM32 Nucleo」と互換性のあるサードパーティ製拡張ボードの利用も可能となっている。
この他、「STM32Cube」プラットフォームは、PC上で使用するグラフィカルコンフィギュレータと初期化C言語コードジェネレータである「STM32CubeMX」に加え、対象のマイコンに適用できるハードウェア抽象化レイヤ(HAL)およびミドルウェアを含む、豊富な組み込みソフトウェアコンポーネントで構成されている。これにより、提供元の異なるソフトウェア間の相互依存性の評価が不要な利便性の高いパッケージとして、アプリケーション開発に必要な全ての汎用ソフトウェアコンポーネントへのアクセスが提供される。
なお、「STM32CubeMX」および組み込みソフトウェアライブラリは、Webサイトからダウンロード可能となっている。「STM32 Nucleo」および各種拡張ボードは現在量産中で、価格は10.32ドルである。