SAPジャパンは12月9日、同社のインメモリ・データベース「SAP HANA」上で稼働する会計ソリューション「SAP Simple Finance」の提供を開始した。同製品は、ビジネスの究極の"シンプル化"を実現するために設計された同社の次世代のアプリケーション群「s-innovations」の第1弾。
初めに、バイスプレジデント ソリューション&イノベーション統括本部長の堀田徹哉氏が、「s-innovations」について説明を行った。
堀田氏によると、同社は「Run Simple」というテーマの下、「アプリケーションのSimple化」「LandscapeのSimple化」「UXのSimple化」「IT利用のSimple化」を推し進めているという。これらを実現するIT基盤を構成する要素の1つが「s-innovations」となる。
堀田氏は、「s-innovations」の特徴として「データ構造の簡潔化」「データボリュームの削減」「分析視点/ビュー自由度の向上」を挙げた。そして、SAP HANA上でs-innovationsを用いることで、業務・組織・生産性に改善され、最終的に、事業価値の創造がもたらされると語った。
「SAP Simple Finance」の詳細については、IVE&ソリューション本部 クラウド/アプリケーションズ 経営管理ソリューションズ ディレクターの佐々木直人氏から説明がなされた。
「SAP Simple Finance」は「SAP ERP powered by HANA(以下、Suite on HANA)」のアドオンとして提供され、 会計機能「SAP Accoounting」、グループ資金管理機能「SAP Cash Management」、財務計画機能「Integrated Business Plannning」から構成される。
「SAP Simple Finance」では、従来のアプリケーションと異なり、中間テーブルを作らず、かつ、単一のデータソースを共有してさまざまな処理を行う。これにより、取引データと分析処理を合理化し、照合作業が不要となる。そのため、「財務会計と管理会計が整合した一元的な活用」「任意の切り口によるオンデマンドな集計・分析」を実現し、企業の意思決定のスピードアップに貢献する。
SAPグループは55日間かけてすでに「SAP Simple Finance」を導入しており、データベースの容量を7.1TBから1.8TBに削減するなど、さまざまな導入効果を得ているという。
販売は、オンプレミスとクラウドの形態で行われる。クラウドはIaaS(ユーザーはSAP Simple FinanceとSAP HANAのライセンスを購入)、PaaS(ユーザーはSAP Simple Financeのライセンスを購入)、SaaS(すべてサービスとして利用)の3種類から選択できる。