BtoBサービスでソーシャルを上手くビジネス活用するにはどうしたらよいの?今回はそんな方に参考になる事例をご紹介!
BtoCサービスでソーシャルを活用するイメージは沸いても、なかなかBtoBサービスでの活用イメージが持てない…。Facebookページを開設しても、毎日どんな内容を投稿したらよいの?いったいどうやってファンを集めたらよいの?とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、日本国内でFacebookを活用する企業事例をWebマーケッターが解説するブログ「Facebookプロモーション国内事例集」より、BtoBでのFacebook活用の参考になる事例を2つご紹介します。
ご好評につき、第2弾です! (第1弾はこちら)
異なるタイプの2つの事例から、自社に合った要素を明日からでもぜひ取り入れてくださいね。
*本記事は「Facebookプロモーション国内事例集」からの転載です。(SMM Labにて一部編集してお届けします)
たぬき課長のしごとば~shigoto-Bar~/大阪ガス株式会社
https://www.facebook.com/shigoto.bar
まずは、大阪ガス株式会社が運営する「たぬき課長のしごとば~shigoto-Bar~」のFacebookページをご紹介します。
ガスといっても、タイトルに「しごとば」と入っているように企業向けの内容のページ。「えねまる」という名のたぬき課長が節電・空調・快適なオフィスについて語っています。
頼んだり、売ったりする前に、関係性構築が重要
突然ですが、社内であなたが省エネについて指導されたと想像してみてください。
- 普段話す機会がない総務部の人から指導された
- いつも一緒に仕事をしている同僚に指導された
どちらがすんなり受け止められますか?
後者を選ぶ人が多いのではないでしょうか。その理由のひとつに普段からの関係性ができている人から言われた方が、素直に言われたことをききやすいということがあると思います。
ものを売るにしてもそう、関係性ができている人からのほうが買いやすいですよね。 前置きが長くなりましたが何が言いたいかというと、このページはファンとの関係性構築に重きをおいているということです。
省エネや商品の話もしていますが、それと同じくらいもしくはそれ以上の頻度で、「えねまる」というキャラクターを通して純粋にコミュニケーションを図るような投稿がなされているのです。いくつか投稿を見ていきましょう。
共通の話題で盛り上がる
お月見やハロウィンなどの暦や季節にあわせた投稿をしています。
このような旬の投稿は、ファンの目をひきやすく反応も得やすいものです。多くの人にとって無関係でない(実際の関わりがなくとも関心事だったり、気にはなる。もしくは季節を感じるきっかけになる)テーマなぶん、「いいね!」などの反応も得やすいのが特徴です。 一方、こちらは思わず共感してしまいそうな内容の投稿です。
Facebookページで関係を構築するにあたって重要なのは、共通の話題を提供するということなのです。これらの話を日々積み重ねることで、少しずつ関係ができてくるのではないでしょうか。
コミュニケーションのハードルを下げるキャラクターの存在
このページはたぬき課長「えねまる」が前面に出ており、その容姿や発言からは「ソフト」「軽い」といった印象を受けます。
課長という設定になっていますが、もし人間の課長が日々の出来事や省エネ、自社のサービスについて語っていたら随分違うテイストのページになってしまうことでしょう。
キャラクターだからこそ、コミュニケーションのハードルが低くなり、硬すぎずライトなコミュニケーションが図れるのです。 誰に語らせるか、というのも非常に重要なポイントですね。
ちなみに、「えねまる」の眼球は可変で、シーンによって色々な表情を作れるようになっています。もしぬいぐるみを使ったFacebookページ運用を考えている場合は参考にしてみてください。
宣伝は「さりげなく」「自然に」
関係性ができてきたところに、さりげなく混ざっているのが省エネの話やガス冷暖房などのサービスの話です。
ただ「えねまる」の口から発せられていたり、他の話題に交えて言及されているので、宣伝色が弱まっています。
ファンに受け入れてもらえるような形で宣伝できていますね。
アンケートはフィードバックが重要
省エネ意識やクールビズ・ウォームビズのスタイルについてのアンケート調査キャンペーンを定期的に実施しています。
ポイントは、アンケート結果をかならずファンにもフィードバックしていること。とりっぱなしにするのではなく、きちんと報告することでコミュニケーションが積みあがっていきますね。
特にキャンペーンなどは、参加したこと自体忘れられてしまうこともあるので、何度か同じ話題を振ることで存在感を強めていくことができるのではないでしょうか。
何かを伝えたり、買ってもらったりするには、人と人との関係性が重要です。 Facebookページも。まずはファンが話を聞いてくれる状態を作ることが大事だなと、改めて気づかされる事例ですね。
このページからの投稿を日々見ていて、エネルギーのことを前よりも意識するようになった人も少なくないのではないでしょうか。
【接客業専門】コンサルティング 成田直人/株式会社Family Smile
https://www.facebook.com/familysmile.co.jp
Facebookページのネタ、考えるのは時間や手間がかかりますよね。
1年前、2年前あれば、他社の記事紹介でも「いいね!」がある程度集まっていましたが、最近厳しくなってきているように感じます。要は、オリジナルコンテンツ、ここにしかない情報、が必要なのです。
特に、BtoBはブログとの連携が基本になります。自社のコンテンツなしには盛り上げていくのもかなり難しいのです。
そんななか、コンテンツの質も高くFacebookページとの連動も秀逸なBtoB事例を見つけました。【接客業専門】コンサルティング 成田直人のFacebookページをご紹介します。
リンク投稿はニュースフィードで表示されやすい
昔は投稿タイプのなかでも、画像の画面占有率が高く反応がよいと言われていました。そのためサイトやブログに誘導するときに、画像投稿にURLを貼って投稿するケースもよく見られました。
しかし、8月下旬にFacebookが行った投稿表示アルゴリズムのアップデートでは、URLが記載されている投稿を行う場合、画像投稿よりも記事の内容の一部が表示されるリンク投稿を優先表示すると発表しています。
つまり、サイトやブログへ誘導するときは基本的にリンク投稿にするべきなのです。
(参考:ルールが新しくなった!Facebookからサイトやブログにユーザーを誘導する3つのポイント)
サイトやブログに誘導する文章
このページの投稿は文章が秀逸で、目に入ると思わず読んでしまい、どんどん引き込まれていきます。気づいたらブログ記事のURLをクリックしているのです。ポイントは見出しと導入文、URLへの誘導方法にあります。
1.見出しと導入文
投稿文の文頭に記載されている文章が、読み手の「自分ゴト」になるような内容なのです。思わず自己投影したり、共感したりすることが書かれています。
2.URLへの誘導方法
投稿文のなかで問題提起があり、答えがわからない状態でブログ記事に誘導されます。 絶妙なところで文章が切れていたり、「そこで私がしたアドバイスは?」「それは何か?続きは読んでからのお楽しみ(笑)」などと書かれていることで、自然とクリックが促されます。
誘導した先の記事も評価の対象
ただこのFacebookページの場合は、見出しと導入文がブログ記事のタイトルと冒頭文を書いているだけ。元の記事自体が、人を引き込むような文章になっているのです。
要は、誘導した先のコンテンツ自体質が高いのです。
コンテンツの質の高さは問合せやサービス申し込み数の増加において、もちろん重要です。しかし、実はFacebookページ運用においても大きく影響してくるのです。
Facebookは投稿からリンクされた記事も、評価の対象にしています。投稿のリンクをクリックして、記事を見に行ったユーザーが - どのくらいの時間でFacebookに戻ってくるか - 戻ってきた後に投稿に「いいね!」などの反応をしているか などをチェックしていると言われています。
そして、リンク先のコンテンツがユーザーのニーズにこたえていると評価されれば、そのFacebookページの投稿はより多くの人に表示されるようになるのです。
投稿とリンク先記事の親和性
リンク先のコンテンツをきちんと読んでもらうには、投稿とリンク先の記事の親和性が高いほうがよいですよね。
そう考えると、このFacebookページの投稿のように記事の一部を投稿にそのまま記載するというのは直帰を防ぐという効果が期待できそうです。
Facebookページと、自社サイト/ブログを連動させた投稿を
投稿からリンクした先のコンテンツが重要であることは、本質的に変わりがないですが、その是非がダイレクトにFaceboookページの評価としてかえってくるとなると状況はよりシビアになります。
読み手に受けるオリジナルのコンテンツをきちんと開発し、Facebookと連動させていくことが重要なのです。
以上、今回は「Facebookプロモーション国内事例集」より、BtoBサービスのFacebook活用の参考になる事例を2つご紹介しました。日々のFacebookページ運用の参考になれば幸いです。
ライター紹介
柴 佳織(Kaori Shiba)
企業のFacebookページのコンサルティングから、解析・運用支援などを行う。また、Facebookマーケティングのライターや講師も務めている。
本稿は、ソーシャルメディアマーケティングラボにて掲載された記事を転載したものです。
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