Infineon Technologiesは、最大120Aの定格電流に対応する新型パッケージ「TO-247PLUS」の提供開始により、高出力アプリケーション向けディスクリートIGBTのポートフォリオを拡張すると発表した。
同パッケージでは、JEDEC規格準拠の「TO-247-3」と同一のフットプリントとピンアウトによって、IGBTと同等の電流定格のダイオードを同梱した最大120AのIGBTを提供する。これにより、無停電電源装置(UPS)、溶接、太陽光発電、産業用駆動装置などの産業用アプリケーションに加え、パワートレインインバータなどの車載用アプリケーションでも使用可能で、既存の設計をより高出力向けにアップグレードすることや、アプリケーションの熱的条件を向上させて、システムの信頼性と製品寿命を向上させることができる。さらに、同パッケージの高電流機能により、並列接続のデバイスの数を削減できることから、よりコンパクトな製品設計が可能となる。
また、同パッケージは、ヒートシンクへのクリップによる取り付け用に設計されている。こうした取り付け技術により、激しい振動や機械的衝撃が発生する際も、パッケージ全体を通じて均一した圧力分布が保証される他、熱伝導性と機械的安定性が向上する。さらに、取り付け用ネジ穴がないため、標準的な「TO-247」との比較では、約70%広い面積のチップを搭載できる。そして、放熱部の面積が26%大型化しているため、熱抵抗Rth(jh)は、標準的な「TO-247」との比較で最大20%抑えられる。加えて、「TO-247PLUS」パッケージのボディには、特殊な「プラスチックトラウザー」が採用されており、「TO-247-3」に比べて沿面距離が4.25mm~2mm長くなる。この他、特殊なプラスチック製ボディコンパウンドを採用することで、クリップ圧への耐性が向上している他、最新のボンド配線方式により、DCコレクタ電流は80Aから160Aに上昇し、IGBTの信頼性と製品寿命の向上に寄与している。