ニコンの子会社ニコンエンジニアリングは12月1日、LED、MEMS、パワー半導体などの量産に適した縮小投影露光装置「ミニステッパー NES1W-ih06/i06、NES2W-ih06/i06」4機種の受注を開始したと発表した。

「NES」シリーズは、LED、MEMS、パワー半導体の量産に使われているが、さらなる生産性向上とi線対応の要望があった。そこで今回、露光波長i-h線に対応した投影レンズと照明光学系を新たに開発したという。

具体的には、i線からh線までのブロードな波長領域の光を取り込むことにより、照度を大幅に向上させている。これにより、高いドーズ量が必要なプロセスにおいて、生産性を大幅に向上させることができる。さらに、MEMSなどの量産で使用されるレジストには、i線領域に感度ピークを持つものがあり、新開発の投影レンズと照明光学系によって十分な解像性能を得ることができる。また、新開発の投影レンズは、同社の「NSR」シリーズのステッパーと同等の露光範囲22mm×22mmを確保しつつ、NA(開口数)を従来機種「NES2-h06」の0.11から0.13へと拡大している。これにより、LED、MEMS、パワー半導体などの量産に必要な深い焦点深度と高解像度の両立を実現している。

なお、「NES1W-ih06、NES2W-ih06」はi-h線2波長利用によって照度を大幅に向上させ量産性を最大限まで高めたものであり、「NES1W-i06、NES2W-i06」はi線単波長に特化してi線プロセスに適合させている。また、「NES1W-ih06/NES1W-i06」は対応する試料サイズが直径50mm~150mmで、「NES2W-ih06/NES2W-i06」は同150mmもしくは200mmとなっている。価格は「NES1W-ih06/i06」が1億6800万円(税抜き)から、「NES2W-ih06/i06」が1億9800万円(税抜き)から。

縮小投影露光装置「ミニステッパー NES2W-ih06」