宣伝会議は12月1日、「宣伝会議 1月号(2014年12月1日発売)」にて、誌上企画「2014年広告総決算 宣伝会議グランプリ」を実施し、その結果を発表した。これは、2014年に発表された18の広告賞における主要受賞作に、企業の宣伝担当者からの投票結果を合わせて集計し、「ベスト・オブ・ベスト」を選出したもの。

これによると、広告界が選ぶ「2014年の人気広告ランキング」第1位は、サントリーホールディングスのCM「ペプシNEX ZEROの桃太郎シリーズ」となった。以下は、YouTubeサントリー公式チャンネルにて公開されているものだ。


「Forever Challenge/自分より強いヤツを倒せ。」のコピーから伝わるメッセージ性や、ハリウッド映画のような世界観のクリエイティブ、小栗旬が桃太郎を演じるという意外性に、広告業界から賞賛の声が集まったという。

同CMは、全日本シーエム放送連盟が主催する「ACC CM フェスティバル」でグランプリを獲得。企画・制作は、これまで大和ハウス工業の企業CMやトヨタ自動車「ハリアー」など、さまざまな話題のCMを手掛けたクリエイティブエージェンシー「TUGBOAT」が行った。

「2014年人気広告ランキング」

2位の味の素では、2013年12月、和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたのを機に、「祝・ユネスコ無形文化遺産登録」を共通テーマにシンボルマークを制作し、新聞広告や雑誌広告、ラジオCM、中吊り広告を用いて多面的な広告展開を実施。

新聞の見開きページ一面を使用し、「黄水仙」や「香櫞緑」「ひまわり色」「乳白」など聞きなれない「和色」の名前と「和食」の写真を並べ、「和食は、和色で、できている。」という印象的なコピーと共にその魅力を伝えた。

味の素公式Webページ「新聞・雑誌広告のご紹介」より

そのほか、3位に選ばれた東日本旅客鉄道(JR東日本)の「行くぜ、東北。」シリーズは、2011年から継続して実施している復興支援のためのシリーズ。美しい冬景色に「メールじゃ会えない、レールで会おう。」というコピーに、宣伝担当者からは「コピーが好き。旅=出会いを上手く表現」などとコメントがあったという。

4位のLOTO6「柳葉敏郎&妻夫木聡の掛け合いがユニークなCM」は、1位のペプシネックスゼロ同様、TUGBOATが制作したもの。5位のNexus 7のCMは、生徒にダンスを教えたい小学校の先生が「Nexus7」を使い練習に励む内容で、「楽しくて踊りたくなってしまうというベネフィットが伝わる」や「グーグルという会社が創りたい世の中が明確になる」などと評された。

なお、「2014年広告総決算 宣伝会議グランプリ」は、TCC賞やACC CM フェスティバル、ADC賞、広告電通賞、OCC賞、FCC賞、交通広告グランプリ、新聞広告賞、日本雑誌広告賞、フジサンケイグループ広告大賞、朝日広告賞、毎日広告デザイン賞、読売広告大賞、日経広告賞、日本BtoB広告賞、コードアワード、カンヌライオンズ(日本受賞作)、アドフェスト(日本受賞作)の中で、ゴールド(相当)受賞作以上を対象に行なったもの。

宣伝会議の講座を受講する広告主の受講生にアンケートを実施し、戦略性や企画性、クリエイティブ、話題性といった4つの観点から、ベスト3と各カテゴリのベストを選出し集計したという。