STMicroelectronicsは12月1日、太陽光発電システム用インバータ、溶接機、無停電電源、産業用モータ向けに、高度なトレンチゲートフィールドストップ技術を採用した1200V耐圧IGBT「Mシリーズ」を発表した。
同製品は、導通特性とターンオフ特性が高度に最適化されている他、ターンオン損失を低く抑えており、ハードスイッチング回路(動作周波数:最大20kHz)に最適となっている。また、最高175℃まで拡大された動作温度範囲やラッチアップが発生しない安全動作領域(SOA)、10μsの短絡耐時間(150℃時)が、過酷な周辺環境や電気的環境における堅牢な性能を保証する。
さらに、採用している第3世代技術には、トレンチゲート構造の最先端設計と最適化された高耐圧IGBTアーキテクチャが含まれている。これにより、スイッチオフ時の過電圧の最小化と振動の除去が可能になるため、電力損失の低減と回路設計の簡略化につながる。また、低飽和電圧(Vce(sat))が高い導電効率を実現する。そして、Vce(sat)の正温度係数に関して、パラメータ分布のバラつきが小さいため、耐電力特性を向上させる並列動作も簡単である。
この他、ターンオン時の電力効率にも優れているに加え、IGBTと逆並列に同一パッケージ化する最新世代のダイオード技術により、ターンオン損失を極端に増加させることなく、高速かつ緩やかな逆回復特性を実現することで、EMI性能が向上している。
なお、パッケージは40Aの「STGW40M120DF3」、25Aの「STGW25M120DF3」および15Aの「STGW15M120DF3」がTO-247、「STGWA40M120DF3」、「STGWA25M120DF3」および「STGWA15M120DF3」が長リードのTO-247。価格は「STGW15M120DF3」が1000個購入時で約2.80ドル。現在量産中。