ニコンは11月26日、重ね合わせ精度とスループットを向上させたArFスキャナ「NSR-S322F」を発表した。12月より販売を開始する。
半導体業界では、10nmノードプロセスのデバイス開発・生産に移行している。これに伴い、最先端のArF液浸スキャナと併用されるArFスキャナでも、重ね合わせ精度が非常に重要となっている。同装置は、重ね合わせ精度をSMO(Single Machine Overlay)で2.0nm以下、MMO(Mix and Match Overlay)で5.0nm以下、スループットを230枚/時以上と向上させた他、既存プラットフォームの継続採用により、ユーザー先での迅速な装置立ち上げを可能にした。
具体的には、新干渉計システムのBird's Eye Controlでは、エンコーダで空気揺らぎの影響を受けずにステージの位置を計測できる他、従来の干渉計計測とのハイブリッドなシステムの構成が可能となっており、重ね合わせ精度を大きく向上させている。また、新計測技術のStream Alignmentでは、FIAの5眼化により、短時間でのアライメント計測を可能にした。5眼化の効果により、全ショットに近い多点計測時でもスループットの低下を最小限に抑え、現行機種に比べてスループットを約5%向上させている。さらに、新モジュール構造であるModular2 Structureでは、階層的なモジュール化を実現することにより、ユーザー先での立ち上げ時間を短縮し、さらに部品交換も平易化した。これにより、メンテナンス性が大幅に向上したとしている。