日本IBMは、ソーシャル、モバイル、クラウド、アナリティクスを組み合わせた包括的なアプローチによる新メールソリューション「IBM Verse(バース)」を2015年第1四半期に出荷を開始すると発表した。現在はベータ版を提供中で、まずは、2015年第1半期にSaaS版を提供し、2015年後半には、オンプレミス版を出荷する予定。なお、より詳細なサービス内容などは、2015年1月25日に米国オーランドにて行う IBM ConnectED 2015で発表する。

IBM Verseは、電子メール、会議、予定表といった基本的なメールとスケジュール機能に加えて、ファイル共有、インスタント・メッセージ、ビデオ通話などを1つの画面で提供するソリューション。ユーザーが必要とする処理を優先順位付けし、適切な人や情報を迅速に選別して、業務の遂行を支援する。

「IBM Verse」の画面

IBM Verseの画面上部には、今、自分にとって重要と思われる人の顔写真、その下には、相手に依頼して完了を待っているタスクリスト、さらにその下には、相手から自分に依頼されているタスクリスト表示する。

今、自分にとって重要と思われる人の顔写真

相手に依頼して完了を待っているタスクリスト

また、画面左側には今後の予定が、上部の人の顔写真をクリックするとその人とやり取りしたメッセージ一覧が表示される。表示されたメッセージはさらに、今日、今週、今月など、期間を指定して絞り込みできる。

今後の予定

選択した顔写真の人とやり取りしたメッセージ一覧

さらに、相手がIBM Verseを使っていれば、返信が必要なことを知らせる「Needs Action」を設定できるほか、社員間でメールの内容を共有したい場合は、2クリックでブログに投稿できる。

「Needs Action」を設定

、2クリックでブログに投稿

特徴的なのは、ユーザーの行動や傾向を分析してビジネス・ワーカーの電子メールをパーソナライズし、最も重要な業務を迅速に抽出して、優先順位付けすることで、将来的にはWatsonの技術を使い予測に基づいた提案の実現を計画している。

日本IBM 専務執行役員 ソフトウェア事業本部長 ヴィヴェック・マハジャン氏

日本IBM 専務執行役員 ソフトウェア事業本部長 ヴィヴェック・マハジャン氏は、「IBMはソーシャル、モバイル、クラウド、アナリティクスに注力しているが、IBM Verseはこれらを組み合わせたアプローチによる新しいソリューションだ。メールのやり方はここ30年間変わっていない。我々はシステムが重要なものを理解するインテリジェントによって、そのやり方を変えていく」と述べた。

また、日本IBM ソフトウェア事業担当 コラボレーションソリューション事業部 理事 事業部長 田崎慎氏は、「最近、企業の従業員には情報過多という状況が起きており、莫大な情報に圧倒され対応不可能になっている。また、ワークスタイルやワークプレイスが複雑化している。 今、企業に求められているのは、フォーカスする業務は何かを見極めるセンス、もっとも重要な人と容易にコラボレーションする方法、日々の管理を取り戻す方法の3つだ。IBM Verseは、これを解決する新しいソリューションだ」と語った。

同社は当初は、IBM Notes/DominoやIBM Connectionsのユーザーをターゲットに販売していくという。