検索を知れば世の中が分かる!? Googleから提供された月間の急上昇検索キーワードランキングから、世の中の空気を斜め読みする当企画。今回は2014年10月の山手線全29駅と、上位の駅についての関連検索ワードランキングを調べた。教えてください、Google先生!

※「山手線全駅」と書くと正しい路線の区分についてご指摘のある方も多いだろうが、本件では緑の電車が環状に走る便宜上の「山手線」を対象としたので、ご了承いただきたい。

昔も今もお騒がせな街、渋谷

ランキングの結果によると山手線全駅の中で10月に最も注目されたのは、渋谷。次いで新橋、高田馬場、恵比寿、田町と続く。新宿や東京がダントツ下位?! と驚かれるかもしれないが、これは先月に比べて検索が多かった順番をランキングにしたもので、注目度がどれだけ増したかを示しているためだ。

2014年10月のGoogle検索キーワードランキング山手線編

「Googleトレンド」で検索ボリュームを相対的に見れば、渋谷よりも東京や新宿のほうが検索されている量が多いことが分かる。ちなみにJR東日本発表による2013年度の各駅乗車人員ベスト100によると、トップが新宿駅。池袋、東京が続き、渋谷は5位となっている。

Googleトレンドで調べた検索ボリューム推移の比較

では、10月に渋谷の何が注目されたのだろうか。

関連検索ワードのランキングを見ると、トップは「銃撃戦」という物騒なもの。ただし、これは今年10月に発生したわけではなく、1965年に起きた事件がテレビで紹介されたことで、検索する人が増えたことが理由のようだ。事件は渋谷駅近くの銃砲店に立てこもった18歳の少年が500人以上の警官隊を相手に銃撃戦を繰り広げ、ライフルで撃たれた警察官1名が死亡し、10数名の重軽傷者を出している。現場には数千人の野次馬が詰めかけ、流れ弾を避けるために山手線も全線運休するなど、大変な騒ぎとなったようだ。事実は小説より奇なりとは言ったものだが、この事件を基に石原新太郎の小説『嫌悪の狙撃者』が執筆されている。

2014年10月に検索の多かった山手線駅名と関連検索ワードのランキング

「ハロウィン」はここ数年で季節行事としてずいぶん日本に定着したように思われるが、ご多分にもれずガラパゴス的進化を遂げているようで、渋谷では仮装・コスプレをした人々が集まって大騒ぎをする日になっている。どんな様子だったのかはぜひ画像検索でご確認いただきたい。

「Googleトレンド」で調べると、今年の「渋谷 ハロウィン」の検索数は昨年の2倍以上。カレンダー的にちょうど金曜と重なったこともあり、騒ぎの大きさは昨年比2倍を超えていたのではないだろうか。

来年は土曜の夜に当たるので、さらなる交通整理と安全の確保が必要になりそうだ。そして楽しく参加される皆さんは、日本人の美徳・帰り際のゴミ拾いもぜひお忘れなく。

「渋谷 ハロウィン」の検索量は年々増加している

どの街でも空腹が検索している

この他、ランキング上位に入った駅名を見ていくと、それぞれの関連検索ワードには食べ物系ワードや飲食店の名前が多く並んでいる。具体的な店名もあるが、「ランチ」「ご飯 おすすめ」といったお店全般を対象にしたり、「牡蠣」「ナポリタン」という食べたいもの限定の検索もある。

行った先々や行く予定の場所で店を探したい場合には、検索するのが当たり前の現在。飲食店が検索広告に出稿する際には、店名や最寄り駅名だけでなく、ランチや季節の食材ごとの具体的なメニュー等も取り入れてみると良さそうだ。

そんな中でちょっと異色なのが「五反田 肉祭り」というワード。

五反田肉祭りとは、五反田にある多数の飲食店で肉料理を中心に店舗自慢のメニューが「五」日間に渡って「五」割引で提供されるという、お店巡り形式のイベント。今年は10月25~29日の日程で、35店舗が参加して実施された。オープニングイベントでは福島牛の焼肉無料配布やステージイベントなども行われた。

このような地域の店舗が参加した飲み歩き・食べ歩きイベントは、現在各地で開催されるようになっている。一品頼んでハシゴするのが基本スタイルになるため、行ったことのない店を試したり、普段は行けない店を気軽に訪ねる機会になり、店舗側にとっても宣伝と新たな客層開拓の機会となる。地元商店街・飲食店の活性化を目的に開催する地域が多いようで、地域のイベント開催をサポートしている団体もあるようだ。

また、Bitcoinでの支払いを受け付けるなど、試験的な試みも行われるケースも見られる。地元の店に行く機会が少ない方も、近くでイベントがあったら趣味の合う店舗開拓に挑戦してみては ?