私たちは常に「もっと良くなりたい」と思っている。仕事ができるようになりたい、もっと速く走れるようになりたい、もっと体重を減らしたい――。

だが、悲しいかな目標らしき目標を立てたところで、最初の新鮮な気持ちは長続きせず、挫折してしまうことが多い。

単に目標を立てるのではなく、「自分を変えるというアプローチならうまく行く」とThe Next Webの記事「個性ベースの習慣:どうやって目標に向けた努力を維持するか(原題:Identity-based habits: How to actually stick to your goals)」が伝授している。

記事によると、新しい習慣を持続するためのカギとなるのは目標ではなく、「最初に自分の新しいアイデンティティ(個性)を持つ」ことだという。

筆者は「あなたが現在とる行動は、あなたがいま自分に対して持っている個性の現れだ」と指摘。つまり、目標に合わせて、その目標を達成する新しい自分の個性をイメージすることが大切だと説く。

そして、その新しい個性が自分であると信じることが目標達成への最初のステップとなる。

行動を変えて新しい習慣を身につけるためには、行動を変える仕組みを理解する必要がある。

行動を変えることを分析していくと、表面に「外からみたあなた」があり、次に「あなたがとる行動」があり、「あなた自身の個性」が中心にある。

エクササイズで考えるなら、「"やせたんじゃない?"といわれる」こと、次が「毎日○○のエクササイズをすると思う」こと、中心が「私は一度決めたらジムに行くのを怠らない人だ」と思うことだという。

中心は揺るぎないものだが、外からみた自分や実際の出来・不出来は変化を受けやすい。

新しい習慣が続かない多くの理由は、「自分の個性をそのままに、表面のレベルで目標設定してしまう」ためだという。

逆に言うのであれば、目標を設定するときに、そのようなことができる個性を持つ自分を確立させると、うまく行く可能性が高いと言えるのではないだろうか。

成功するためにはどうすれば良いのか。なんら難しいことはなく、「どんな人になりたいのかを決める」「小さな積み重ねによりそれを実証する」という2つのステップだけで良い。

例をいくつか挙げてみよう。「ジムに必ず行く、意思が強い人になる」という個性を打ち立てる。その後、毎日のエクササイズを続けて個性を固め、現実のものにしていく。

また、「良い友人になりたい」のであれば、「いつも連絡が取れる関係」という個性を立てる。

そして、土曜日に必ず誰か1人の友達に連絡を取ると決めて、実行する。

次第に、友達と気軽に連絡がとれる関係になるだろう。「職場で真剣にやっていると思われたい」のであれば、定時出勤し、会議やアポイントのスケジュールに気をつけるなどだ。

ポイントは、小さな積み重ねは本当に小さなものから始めること。いつしか、目標そのものの達成よりも、獲得した新しい個性が価値をもたらしてくれることだろう。