人前でのスピーチで一番難しいのは、質問への回答かもしれない。スピーチの内容は事前に準備できるが、スピーチを聞いている人が何を質問するのかは予測できないからだ。
難しい質問にどう対応するか、できる準備は何か、Open Forumの記事「難しい質問に対応する6つの方法(原題:Getting Grilled:6 Ways to Handle the Tough Questions)」が伝えている。
大勢を前にしたスピーチでは、質問にどのように対応するのかでそれまでの流れが変わってくる。記事では次の6つの方法を伝授している。
下準備
時間に余裕があるなら、できるだけ綿密に想定される質問を洗い出しておきたい。洗いだしたらその次に「カテゴリ化」すると良いだろう。
「売り上げに関すること」なのか「組織に関すること」なのか、はたまた「製品に関すること」なのかなどだ。そして最善の答えを用意する。そうすれば、質問の内容がどのようなものであれカテゴリに落とし込んで自分が用意した言葉での回答が可能になる。
大切なことは、各カテゴリに伝えるべきポイントがきちんと入っていること。そうすれば、質問に対する答えとして言いたいことを再度強調できる。
回答する前に
実際に質問があったら、慌てて回答する必要はない。落ち着いて次の2つを考えよう。
- 質問者は誰か?
顧客か従業員、提携先、投資家なのかという点だ。
- 観客は誰か?
スピーチ、そして質疑応答を聞いている観客は誰であるのかに注意しよう。それぞれを見極めた上で適切な言葉を使い分けたい。
虚偽は禁物
想定外の質問であったり、弱みを突かれる内容であっても、嘘を伝えるのはNG。
即座に答えられないなら、質問の内容を繰り返して確認した後に、「正確を期すために後で回答する」と答えよう。
自分の担当外であればそれを伝え、担当者がコンタクトすると約束して誠意を見せよう。
信頼を構築する
質疑応答は質問者の回答に答えることだけではない。質問者と会場にいる人の信頼を得ることも大きな目的だ。
観客は自分に向かって話しているという感覚が欲しいし、大切にされていると感じたい。質問者の名前を聞いて、その名前を繰り返すだけでも、印象が変わってくることだろう。
間を置く
矢継ぎ早に質疑応答を進めないように。質問が発せられたら少しの間を置いてから回答しよう。
質問を繰り返してもよいし、出された質問に対してさらに明確すべく、こちらから聞き直すのもよいだろう。
終わりよければ全て良し?
無事に質疑応答が終わったら、質問に対して感謝の言葉を述べたい。そして、「これ以外に質問があれば気軽に連絡して欲しい」と伝えよう。
オープンな姿勢を見せれば、その場にとどまらない関係を構築できることだろう。