アドビ システムズは25日、デジタルを活用したマーケティング活動についての実態調査「Adobe APAC Digital Marketing Performance Dashboard 2014」の結果を発表した。

日本の経営者はデジタルマーケティングがもたらすROIに懐疑的

「Adobe APAC Digital Marketing Performance Dashboard 2014」は、同社とCMOカウンシルが共同で、CMOカウンシルの会員を含むアジア太平洋地域(以下、APAC)各国100名以上のマーケティングリーダーに対し「デジタルを活用したマーケティング活動」についての調査結果だ。このレポートにおいて、「IT部門からの支援がデジタルテクノロジーの選定と導入に不可欠である」と考えていると回答したのは、日本のマーケターが38%最も多かった(APAC平均24%)。しかし「ITからの支援が得られている」との回答はわずか6%(APAC平均は16%)と最低であった。また、デジタルマーケティングに関する経営者層からのサポートという点においては、日本はAPACと同等レベル(日本56%、APAC平均59%)となっている。一方、「経営幹部が、デジタルマーケティングがもたらすROIを十分に理解していない」と回答した日本のマーケターは63%と、デジタルマーケティング投資に積極的な国(オーストラリア11%、シンガポール22%)と比較して、日本の経営者はROIに懐疑的であることも明らかとなった。こうした結果をふまえ、同社は「デジタルマーケティングで経営効果を挙げている企業では、ソリューションの導入だけでなく、組織の中で、効率と効果を獲得するためのプロセスが定義されている」とし、「デジタルマーケティングを活用するマーケティング部門だけでなく導入と運営にかかわるIT部門の支援が不可欠」だとしている。

また、今回の調査では、「MINDSET(意識)」、「MARKETING READINESS(活用状況)」、「ORGANIZATIONAL ALIGNMENT(組織体制)」、「MARKETING SKILLS(スキル)」おいて、日本は昨年に引き続き4カテゴリーすべてにおいてAPAC平均を下回った(ただし、4カテゴリーすべてにおいてその差は小さくなっている)。この調査結果について、アドビ システムズ ジャパン/アジアパシフィック マーケティング バイスプレジデント 木ノ本尚道氏は、「APACの他の国と比較してブロードバンドやモバイル環境が整っており、オンラインショッピングにも積極的な消費者が多い日本では、企業がデジタルマーケティングを活用して顧客満足度を向上できる素地は大きいと考えられます。顧客のデータをもとに、あらゆるタッチポイントで最適な情報を発信できるようにするために、経営者層には、マーケティング部門とIT部門の連携をはじめ、顧客データを売上拡大につなげる組織作りが求められます」と述べている。