ロームは11月20日、自動車のアイドリングストップや産業機器のエネルギー回生、瞬低(瞬時電圧低下)対策などで市場が拡大している、電気二重層キャパシタ(EDLC)の安定化・長寿命化、小型化に貢献するセルバランスIC「BD14000EFV-C」を発表した。
同製品は、従来20個以上のディスクリート部品で構成されるEDLCのセルバランスを1チップで実現するICで、部品スペースを約38%削減すると同時に、部品ごとのばらつきを気にする必要がなくなり、小型でシンプルかつ高信頼のEDLCシステムを構築することが可能になる。また、最大6セルまで制御可能なセルバランス機能に加え、同製品を複数個直列に接続すれば、より多くのEDLCセルも同時に制御することができる。さらに、セルバランス電圧は2.4V~3.1Vに設定できるため、さまざまなEDLCに対応可能となっている。そして、セルバランス電圧に応じて検出電圧が設定できる過電圧検出機能とフラグ出力機能を搭載し、車載の国際品質規格であるAEC-Q100にも準拠しており、安心して使用できる製品となっている。
なお、パッケージは10.0mm×7.6mm×1.0mmサイズのHTSSOP-B30。サンプル価格は1000円(税抜き)。11月よりサンプル出荷を開始し、評価ボードも含めて1つから購入可能なネット商社による販売も始めるという。その後、2015年1月から当面月産1万個の体制で量産を開始する予定。生産拠点は前工程がローム浜松(浜松市)、後工程がROHM Electronics Philippines(フィリピン)となっている。