野村総合研究所(以下、NRI)は11月20日、「マイナンバー登録・管理サービス」の提供を開始した。
2016年1月に予定されている「マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)」の施行に備え、金融機関や事業会社に対して、顧客や従業員等のマイナンバーを安全かつ効率的に管理・利用するためのソリューションである。
マイナンバー制度は、「個人番号関係事務実施者」となる企業などに対して、厳格な手続きや安全管理を要求している。2016年1月に迫った制度の施行を控え、対象となる企業では、短期間で全組織を対象とした事務作業の確認や見直しが必要となる。
マイナンバーの記載が必要となる書類は多岐にわたり、企業の事務負荷は大きい。加えて、特定個人情報(マイナンバーを含む個人情報)を扱うため、安全管理に係る負担も増大することが予測される。対応が十分でない場合、本業への影響が危ぶまれるだけでなく、重大な法律違反となる可能性もあり、マイナンバーの取り扱いや管理事務に係る負荷を軽減できるソリューションが求められている現状だ。
今回NRIが提供を開始した「マイナンバー登録・管理サービス」で対象とするのは、証券会社や銀行、保険会社など、金融機関が抱える顧客のマイナンバーと、事業会社における従業員のマイナンバーの登録や管理。マイナンバー自体を企業内の情報システムに置かず、NRIのデータセンターで一括して管理するため、本サービスの利用企業においては、既存業務への影響を考慮する必要がほとんどなくない。
また、特定個人情報を企業内で保有することを極力排除できるため、情報漏洩リスクを極小化できるという。利用企業で新たに発生する業務設計とシステム構築は、本サービスとの接続部分に限定されるため、対応コストの負担もわずかで済むとしている。
本サービスでは、制度対応に必要な現行業務の分析に始まり、安全管理措置対策の構築、職員等の教育・研修、マイナンバーの登録・管理にいたるまで、一連のメニューを用意している。企業は、(1)特定個人情報保護を考慮した社内態勢整備の支援、(2)マイナンバーの登録、(3)マイナンバーの管理・利用、という主に3つのサービスから必要なものを選択できる。