Spansionと大日本印刷(DNP)は11月18日、Spansionのエネルギーハーベスティング向け電源ICを搭載したBluetooth対応の専用ビーコンを使って、屋内位置情報サービスおよびO2O(Online to Offline)サービスの実証実験を開始すると発表した。

DNPは、日本航空と進めている「iBeaconプロジェクト」において、羽田空港第1旅客ターミナル、および各地の空港の出発ロビー付近に、SpansionのICを搭載したUSB給電タイプの電池レス専用ビーコン端末を設置している。ここでは、「JAL Countdown」アプリの利用者に運航状況や搭乗口、搭乗開始時刻などを配信するサービスの実証実験を10月9日より開始している。

また、イオンモールとは、商業施設「イオンレイクタウン」の駐車場からの施設入口付近に照明を利用した太陽電池パネル給電タイプのビーコン端末を設置して、スマートフォン向けの専用アプリに、デジタルフロアガイドを配信する実証実験を行っている。その他、今後もさまざまな施設などで同ビーコン端末を使用した実証実験を進めていく予定という。

DNPの「iBeacon」を使った情報配信サービスは、スタンプラリーの他、デジタルクーポンや施設内のマップ情報、商品説明配信などに拡大しており、今後、ショッピングモールやテーマパーク、美術館などの大型施設や観光地に広く導入されると期待している。

一方、「iBeacon」対応サービスの増加に伴い、施設に設置するビーコン端末の保守・メンテナンスの作業負荷やコストは、事業者にとって大きな負担になると想定される。Spasionのエネルギーハーベスティングソリューションは、エネルギー源として太陽光、振動、温度変化などを用いて、またそれらの複数のエネルギー源の並行利用が可能なため、信頼性の高い電池レスの動作を実現できる。Spansionは、こうしたセンサやビーコンモジュールに対する企業の保守・運用費用の削減に貢献するとともに、新しい革新的IoTアプリケーションの創出の一翼を担っていくとコメントしている。

ビーコンの壁面設置イメージ

筐体表面の小型太陽電池により、電池レスで動作可能なビーコン