仮想化基盤アプライアンス「Nutanix Virtual Computing Platform」を提供するニュータニックス・ジャパンは、米国本社からワールドワイドセールス&ビジネスディベロップメント シニアヴァイスプレジデント サディーシュ・ナイル(Sudheesh Nair)氏を招いて、事業戦略説明会を開催した。
同氏はまず、Nutanix社の概要について「我々の会社は5年前に設立され、インフラにおいてもっとも急成長している企業だ。製品の販売を始めてから3年、日本に進出してから3年(日本法人の設立は2013年6月)の新しい会社であり、グローバルな企業でもある。現在はワールドワイドで、53カ国で営業マーケティング活動をしている」と説明。
続いて、同社が成長しているキーワードとしてシンプルさを挙げた。
同氏はシンプルさの例として、「かつてのAltavistaの画面と、現在のGoogleの画面を比較し、「人々は、ITインフラをシンプルにすることは難しいと考えているが、Googleの画面はシンプルだ。しかし、あらゆるものを検索することが可能だ。人々は複雑なことをしようとしても、複雑さは好まない」と指摘した。
また同氏は、シンプルにするためにはソフトウェアで機能を実現することが重要だとして、例としてiPhoneを挙げ、「iPhoneは、ウォークマン、計算機、カメラなど、多くの機器を不要にし、それをソフトウェアで実現している。ソフトウェアで定義することで、より良いものができる」と述べた。
さらに現在のITインフラ構築の際の複雑性を指摘し、「CIOは新たなシステムを構築しようとする際、ストレージやファイアウォール、ロードバランサなど、さまざまなボックスについて、どう設置するかや、どう接続するかを考える必要があるが、これは本来、CIOのすべき仕事ではない。ITは複雑で、常にこういったものを考えることに時間をとられるが、我々のシステムはこういったことを考えなくても済むようにすることだ」と述べた。
そして、これらを解決するための1つの方法として、パブリッククラウドを利用する方法を挙げ、「これを実現する方法として、まず、思い浮かべるのはパブリッククラウドだ。パブリッククラウドは必要なときに、必要なものが得られ、制限のない拡張性も得られる。コンタクトする場合も1箇所でよい。ただ、セキュリティ、自由度、コストなどの課題がある。パブリッククラウドの反対側にはオンプレミス型もあるが、オンプレミスは完全なコントロールやセキュリティは確保できるが、AWSのような価値は提供できない。また、段階的な成長に制約され、レガシーシステムへのこだわりもある。我々は、両方のいいところを組み合わせて提供したい 」と述べた。
同社では、ITインフラを仮想化基盤をサーバとストレージを統合した2Uのアプライアンスとして提供する。1ノード単位でスケールアウトが可能で、1つのアプライアンスで最大20コアまで対応する。
同氏は同社のアプライアンスの特徴について、「ノードを追加するたびに性能、キャパシティが追加され、追加する際にシステムを停止する必要も、ロードバランサも必要ない。これは、Googleのデータセンターに似ている。ノードを追加すれば、直線的な拡張が得られるので、2000ノードを導入している顧客もいる」と説明した。
また、スナップショット、HA (高可用性)、災害復旧、重複排除などがソフトウェアサービスとして提供される。
国内では、Yahoo!やNTTスマートコネクトのほか、自治体では足立区がNutanixを採用しているという。
また、同氏はVMwareが似たようなコンセプトのEVO:RAILを出してきたことに対しては、Nutanixがすでに3年前から製品を出荷し、成熟し安定した技術であることと、VMwareだけでなく、Hyper-VやKVMなど他の仮想化基盤もサポートしているオープン性を優位性として挙げた。