東京都・渋谷のパルコミュージアムでは、没後12年を経ても色あせないナンシー関の観察眼をあらためて一望する「顔面遊園地 ナンシー関 消しゴムの鬼」を開催している。開催期間は11月25日まで、開場時間は10:00~21:00(最終日は18:00まで)、入場料はおまけ付きで一般500円、学生400円、小学生以下は無料。
同展は、人類初の「消しゴム版画家」であり、テレビウォッチャーにして稀代のコラムニスト・ナンシー関の個展。2014年春に大阪で開催された展覧会をパワーアップした東京展となる。
会場内は、約800点の消しゴム版画を一同に展示する「ベストオブ生ハンコ」のほか、1985年から2002年までに書かれたコラムの中から、年月を経てその見破りがどれほど的確だったかがわかる傑作を放送作家の町山広美がセレクトした「ナンシーテレビ&ナンシー事件簿」、かつての自室から、仕事道具、録り貯めていたビデオやカセットテープなど貴重な資料を展示する「思い出ナンシー」などのコーナーに分かれている。また、東京展の特別企画として、ナンシー関の幻の小説「通天閣はもう唄わない」を本展のために映像化。ピエール瀧が朗読を担当している。
なお、ナンシー関は1962年青森県生まれの消しゴム版画家、コラムニスト。法政大学在学中に消しゴムでハンコを彫りはじめ、「丁稚シリーズ十連作」がコラムニストのえのきどいちろうの目に触れ、1984年消しゴム版画家としてデビューする。当時「ホットドッグ・プレス」の編集者だったいとうせいこうに「ナンシー」と命名され、読者投稿ページでコラム連載「ナンシー関の漢字一發!」をスタート。彫った消しゴム版画の数は5,000点にものぼる。2002年6月12日逝去。享年39歳。