レーザーテックは11月13日、ウェハのバンプ形状やウェハ外周部の検査・測定装置「WASAVI」シリーズの新製品として「BIM300」を発表した。
半導体デバイスのさらなる高性能化に向けて、微細化と並行してシリコン貫通電極(TSV:Through Silicon Via)などを用いた3次元積層デバイスの開発、量産化に向けての取り組みが進んでいる。これら積層工程において、ウェハ薄化後のTSV露出量およびウェハ表面に形成したバンプの高さ・幅・形状の高い均一性が、重ね合わせた接点同士の安定接合実現のために求められている。このため、TSV露出量およびバンプの高さ・直径・形状の測定と管理が歩留り向上の重要な課題となっている。バンプを用いたデバイス間の接合は以前より行われていたが、最新の3次元積層デバイスではバンプサイズの微小化により、0.1µm程度の精度で高さ・縦横サイズを測長する必要がある。
同時に、3次元積層デバイスでは、多層化による高集積化と薄化による省電力化・高速化を実現するため、ウェハを従来の薄化ウェハよりもさらに薄く研削することが求められている。薄化工程での問題はウェハ外周部のクラック発生、チップ破損などとして現れるので、プロセスコントロールのために薄化後の外周部検査も重要となっている。また、積層方法では、チップ同士の積層(Chip-on-Chip)、チップとウェハの積層(Chip-on-Wafer)、ウェハ同士の積層(Wafer-on-Wafer)の順に生産性は高くなるが、重ね合わせる面積が大きくなるため、TSV露出量やバンプ形状均一性の管理基準もこの順で厳しくなる。この他、COW、 WOWでは外周部のクラックやチップ破損に対する要求もより厳しくなる。
今回発表の「BIM300」はこのような課題に対応すべく開発された製品である。独自の工業用レーザ顕微鏡の基本技術に高精度XYステージを組み合わせることにより、ウェハ表面の高解像度観察、TSVおよびバンプの高さ・幅・形状の高精度測定を実現している。
なお、レーザーテックでは同装置について、バンプ形成プロセスの最適化や、ウェハ外周部の検査を含めた薄化プロセスの条件最適化などに適している。また、TGV(Through Glass Via)のめっきパターン形状測定にも利用できるとコメントしている。