国産CMS(Contents Management System)で、Webサイト構築・運営プラットフォームとして好評を博している「SITE PUBLIS(サイトパブリス)」の最新版「SITE PUBLIS 4」が、12月8日に提供開始される。
「SITE PUBLIS」は2002年から提供され、特徴は、ブロックと呼ばれる部品群を積み木のように組み合わせてWebサイトの構築を行うことが可能な"ブロック方式"の採用だ。
その後、モバイルからのWebサイト閲覧が増加する世相に合わせ、"ブロック方式"が持つ直感的な構築・運用の利便性に加え、モバイルへの対応力を強化した「SITE PUBLIS 2」を2006年にリリースし、2010年には、スマートフォン等に向けたコンテンツマネジメントシステムとして「SITE PUBLIS 3」がリリースされた。
最新の「SITE PUBLIS 4」では、さらに多様化するスマートデバイスへの対応。より直感的に誰もがWebサイトの構築・運用が行えるUI(User Interface)の強化、ミドルウェアとしての機能やWebサイトの規模を問わない懐の深さやスケーラビリティに加え、クラウドとの親和性が高められた。そこで本稿では、リリースを直前に控えた11月6日、日本橋三井ホールにて開催された「SITE PUBLIS 4 製品発表会&Special Seminar」の様子をレポートしていく。
5つの進化ポイント
11月6日のセミナーで口火を切って登壇したのはミックスネットワーク代表取締役CEOの吉川隆二氏だ。同氏は「SITE PUBLIS 4」の進化ポイントとして5つを挙げた。
1つ目は、スマートフォンやタブレット、キオスク端末やスマートTVなど多様化著しいスマートデバイスへの対応が進化し、より一層の最適化を実現している点で、2つ目はUIの進化だ。吉川氏は「従来製品をご存じの方なら、一番進化を遂げたと感じるかもしれない」とUIの進化を強調した。
3つ目はWebアプリケーションの開発ツールとして進化した点だ。従来までは、外部で開発したプラグインを取り込むことによって機能を拡張し、外部システムとの連携を実現していたが、「SITE PUBLIS 4」からは本製品内で開発・管理を行う機能が実装されている。また、コンテンツの管理・運用のみならず独立したアプリケーションフレームワークとしての機能も有しているという。
4つ目はスケーラビリティの拡張で、大規模なWebサイトのみならず、小・中規模向けのライセンスを復活させたほか、ドメイン数無制限のプランや災害時のバックアップ環境を構築するためのプランも新設された。
そして最後の5つ目は、クラウドサービスへの進化だ。「Microsoft Azure」、「IIJ GIO」の2つのクラウドサービスに対応した「PUBLIS 4 Cloud」というプランも新たに加わり、より柔軟にそしてあらゆるニーズに応える製品へと生まれ変わっている。
マルチデバイスへの対応力。より使い勝手の良いUIへと刷新。Webアプリケーション開発基盤としての機能を有し、構築・運用するWebサイトの規模に合わせたプラン提供とクラウドへの親和性を高めたWeb運営基盤ツールへと進化した |
続いて登壇したミックスネットワーク取締役執行役員CMOの布施貴規氏からは、実際のデモンストレーションを交えながら、マルチデバイス最適化と劇的な進化を遂げたUIについて語られた。
同社は「スマートデバイス利用動向調査」として、約1,200名へのユーザーアンケートを実施している。そこでは、興味深い調査結果が得られたという。
それは、スマートフォン向けに最適化されたWebサイトであっても、約40%ものユーザーが使いにくいと感じているというのだ。つまり、今のマルチデバイス最適化というものが真にユーザーにとって最適なのかについては、まだ最適解を得るに至っていないというわけだ。
布施氏も「Webサイトを運用する現場で、様々なデバイスにどのように最適化していくかは非常に大きな悩みではないだろうか」と語る。
そこで、「SITE PUBLIS 4」では、流動的なユーザーのニーズを鑑みながら、そして次から次へと登場する新たなスマートフォンやタブレットといったスマートデバイスにおいて全機種を区別し、最適化を行うことができるように工夫されている。Webサイト構築の現場にいる人にとっては、これは非常に大きいと感じるかもしれない。
同社の社内調査によれば、制作を一元管理できる「SITE PUBLIS 4」では、「SITE PUBLIS 3に比べ、制作運用コストを約30%削減することが可能になるという。
布施氏も「『SITE PUBLIS 4』によって削減できた制作運用コストを、写真やキャッチコピー、企画といった"コンテンツ力"の強化に使っていただきたい」と述べた。
デモンストレーションでは、コントロールセンターと呼ばれる管理用画面のカスタマイズ、「SITE PUBLIS」ならではの“ブロック”という概念を活かしたコンテンツ編集作業、マルチスケジューリング機能などを実際に操作してみせた。
次に、日本マイクロソフトの増渕大輔氏が、Web業界のソリューションやMicrosoft Azureの概要や活用事例を紹介。同氏は「サービス指向のWeb担当者には、『データ分析能力」『スピード開発』『スケールアウト運用』などいろいろの能力が求められる」と述べ、Microsoft Azureがどのようにそれらを補ってくれるのか、実際の事例を交えながら紹介した。
そして最後のセッションでは、ミックスネットワーク取締役COOの成瀬俊介氏より、Webアプリケーション開発基盤の進化、最適なスケーラビリティにマッチするライセンス体系について解説が行われた。デモンストレーションでは、大幅に強化されたプラグインの管理機能、そして「PUBLIS Framework(PFW)」と銘打たれたプラットフォームでWebアプリケーションを開発、「SITE PUBLIS」のコンテンツとの連携が披露された。
より具体的な活用事例や、進化したマルチデバイス最適化がわかるセミナーも
今回のセミナーでは進化したポイントにスポットを当てて各種機能等が紹介されたが、11月19日には、「先進事例に学ぶ大規模Webサイト構築・運営成功のポイント」と題し、大規模Webサイトの構築・運用を成功に導く方法が紹介される。マルチデバイス最適化でも強い力を見せるSITE PUBLISは、大手企業のWebサイトやイントラでの実績も多い。当日は、大手自動車メーカーのイントラサイトをMicrosoft SharePoint とSITE PUBLISで構築し、マルチデバイス最適化した事例の紹介やKDDIのオウンドメディアを支えるWebサイトプラットフォームと題した導入事例講演も予定されている。
また、12月16日にはスマートデバイス最新事情から見るマルチデバイス最適化成功へのポイントに焦点を当てた、具体的かつ実践的な内容でのセミナーも企画されている。黎明期からWebサイト制作やWebデザインで名を馳せるキノトロープの代表取締役社長 生田 昌弘氏による「次世代Webサイト構築成功の法則 ~CMSはユーザーニーズ最適化のために~」は、必聴だ。既に「SITE PUBLIS」を導入し利用している方も、新たに導入を検討されている方にも有用なテーマで講演されるとのことなので、チェックしてみてはいかがだろうか。
開催概要
「SITE PUBLIS ソリューションセミナー 2014 秋 - 先進事例に学ぶ大規模Webサイト構築・運営成功のポイント -」
- 日時:2014年11月19日(水) 14:00~16:40(13:30受付開始)
- 会場:ベルサ―ル八重洲 Room D+E 東京都中央区八重洲1-3-7 八重洲ファーストフィナンシャルビル2F,3F
- 申し込み締め切り:2014年11月18日(火)
- 定員・受講料:100名/無料
- 申し込み:Webサイトより
「マルチデバイス最適化 成功のポイント」 ~スマートデバイスユーザー最新動向から見るWebサイト構築~
- 日時:2014年12月16日(火) 13:30~15:40(13:10受付開始)
- 会場:フクラシア東京ステーション RoomA 東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル5F,6F
- 申し込み締め切り:2014年12月10日(水)
- 定員・受講料:70名/無料
- 申し込み:Webサイトより