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11月10日(米国時間)、「Mozilla's Servo Engine Is Crazy Fast Compared To Gecko|mozillaZine Forums」において、現在開発が進められているMozillaの新たなレンダリングエンジン「Servo」が驚異的な性能を実現していると伝えられた。資料では、LinuxCon Europe 2014での発表を引き合いに出し、、参考資料としてスライド「STEALING CHROMIUM: EMBEDDING HTML5 WITH THE SERVO BROWSER ENGINE (PDF)」が紹介されている。
現在、主要なブラウザが採用しているレンダリングエンジンは2000年代に設計されたもので、現在のハードウェアには適していないと指摘されている。さらに、モバイルデバイスなども考慮したうえで、低い周波数で動作するマルチコアプロセッサにおいて、高速に動作するレイアウトエンジンが必要だと説明。また、C++を開発言語としたことで発生するメモリリークなどの問題にも言及されており、メモリ回りの扱いがより堅牢なプログラミング言語の利用が必要だとしている。
Mozillaではこうした課題を解決するため、C++に似たプログラミング言語「Rust」を活用したレンダリングエンジン「Servo」の開発を進めている。RustはC++と同程度の速度を保ちつつ、メモリリークが発生しにくい構造を持ったプログラミング言語。並列処理などにも長けており、「Servo」の実装に向いている。
発表資料では、現行のGeckoと比較して2倍から4倍ほどレンダリング時間が短縮化していることが確認できる。コアの数がさらに増えた場合はそれだけ性能のスケールも期待でき、今後の展開が注目される技術と言える。今のところ、Firefoxに取り込む明確な時期は発表されていないが、2015年には「Servo」を搭載した試験版の提供が開始されるものと見られる。
STEALING CHROMIUM: EMBEDDING HTML5 WITH THE SERVO BROWSER ENGINEより抜粋 |
STEALING CHROMIUM: EMBEDDING HTML5 WITH THE SERVO BROWSER ENGINEより抜粋 |