ICT総研は11月4日、「2014年度 モバイルニュースアプリ利用動向に関する調査結果」を発表した。
調査は、ニュースサイト運営会社・関連企業への取材結果に加え、インターネットユーザー4,294人へのweb アンケート調査、各種公開資料などをまとめて分析したもの。
調査結果によると、モバイル端末上でのニュースアプリ利用者が急激に増加している。2014年度は、2012年度の7倍以上の年間2,242万人、2017年度には4435万人が利用すると予測している。一方、グーグルやヤフーなどのポータルサイト上のニュースを閲覧する利用者は、3.000万人程度の横ばいが続くとしている。
「1年以内にニュースアプリを利用したことがある」と41.9%が回答。回答者の中からどのアプリを利用したか調査したところ、最も利用率が高いのは「Yahoo!ニュース」で 31.7%となった。「グノシー」が7.3%、「スマートニュース」が6.8%、「LINE ニュース」が6.3%と続いた。
「Yahoo!ニュース」の首位は、元々ヤフーのポータルサイト上でニュースを読む人が多く、使い慣れたサービスを選択しているためと分析している。「グノシー」や「スマートニュース」が7%前後の利用率に達しているのは注目に値するとしている。
満足度は、「スマートニュース」が最も高く77.7ポイント、次いで「Flipboard」が77.3ポイント。「Yahoo!ニュース BUSINESS」が 76.7ポイント、「LINE ニュース」が74.3ポイント、「Antenna」が74.1ポイントと続いた。
「スマートニュース」の満足度が高いのは、電波の悪い場所でも快適に記事を読める機能「Smart モード」などスマートフォンのために最適化されたユーザーインタフェースが評価されていることなどが考えられるしている。
ニュースアプリを利用しない理由は「他の媒体から得るニュースで十分だから」という回答が最も多く、56.1%となった。次に多かったのは「自分でニュースを探したいから」で19.6%を占めており、、キュレーション型のサービスを嫌う利用者も多い。また、コンテンツ課金に対する懸念や、ニュースアプリ上の広告などもニュースアプリを敬遠する理由となっている。
文字や写真で読むニュースメディアの中心は、これまで紙媒体の新聞が担ってきたが、若年層の新聞離れが続き、ここ数年でネットニュースが中心になりつつある。国内の新聞発行部数は2000年の5,370万部から2013年には4,700万部へと減少を続けている。
月額4000円程度の新聞購読料を嫌う世帯が増えているためで、今後も新聞の購読者減少には歯止めがかからないとしている。