Maxim Integratedは11月4日(現地時間)、セキュアNFC/RFIDタグ認証用IC「MAX66242」を発表した。

同製品は、ワイヤレスNFC/RFIDインタフェースとI2Cインタフェースを組み合わせたもので、マスター側機器の主電源が機能していない場合でも、ポータブル機器から重要なシステムデータを収集できる。ワイヤレスNFC/RFIDインタフェースとI2Cインタフェースによって、広範なアプリケーションに対応する高い柔軟性とスケーラビリティを実現するという。さらに、追加の外部機能が必要であるにも関わらず、コネクタを設置するスペースがないアプリケーションにおいても役立つという。最適なアプリケーションとして、医療データのセキュアなワイヤレス転送や資産トラッキングなどが挙げられるとしている。

具体的には、ホスト/スレーブ機器間でのワイヤレス、非接触でのデータ収集が可能な他、内蔵する実証済みSHA-256暗号エンジンにより、データダウンロード用の秘密鍵に基づく対称チャレンジ/レスポンス認証を提供する。また、同製品のI2Cインタフェースポートは、データ書き込み用に個別のコントローラを必要とせず、セキュアなデータ交換用のマスターポート、またはスレーブポートとして動作することができる。そして、複数のメモリ設定が可能なオプションを備えており、セキュアなマスター/スレーブシステムを構成して、EEPROMエミュレーションモードを使ってリセット不可のカウンタを作成することにより、使用回数制限を設定できる。この他、ペアリングコードを安全に保存するための手段としてWi-FiまたはBluetooth接続をセットアップすることもできる。これにより、アクセス制御、資産トラッキング、システムアラート/ウェイクアップ、および医療用センサの認証のためのセキュリティが提供され、個人データのセキュアな転送が可能になる。

なお、同製品は外部電源を必要としない代わりに、I2Cインタフェースを介して接続される温度センサなどの周囲のICへの給電に使用可能なエナジーハーベスティング機能を内蔵している。この生成された電力を使用して、スレーブデバイスに電源を提供し、スレーブデバイスからデータを収集する。エナジーハーベスティング機能は、バッテリ駆動の機器において既存の電源を補完する役割も果たし、全体的なバッテリ寿命を延長するとしている。

セキュアNFC/RFIDタグ認証用IC「MAX66242」