情報通信研究機構(以下、NICT)は11月5日、耐災害ICT研究センターおよびユニバーサルコミュニケーション研究所で開発を行っている対災害SNS情報分析システム「DISAANA」(DISAster-information ANAlyzer)を同日からWeb上に試験公開すると発表した。
「DISAANA」は、一般の人からTwitterに日本語のテキストとして投稿された災害関連情報を自動的に分析し、質問に対する回答の候補を与えるシステム。東日本大震災直後の1ヵ月間に投稿された日本語の全ツイート約6.5億件を対象に、自由に質問が行える。
キーワードによる検索エンジンとは異なり、「宮城県で何が不足していますか」という質問を入力すると、さまざまな表現の違いを考慮して、意外なものあるいは想定外なものまで含む回答候補を抽出し、わかりやすく表示する。
例えば、「宮城県で何が不足していますか」という質問に対しては、「~が不足している」という表現だけでなく、「~が枯渇している」「~がない」のように表記上は異なるが、意味がほぼ同一の表現も手がかりとすることで、回答候補を幅広く抽出する。
また、「放射能に効くのは何ですか」といった質問に対しては、デマに基づいた回答候補が多く出力されますが、「昆布」という回答候補の抽出元ツイート(「昆布が放射能に効く」)とそれに矛盾するツイート(「昆布が放射能に効くというデマがある」)を確認することで、デマによる回答候補の信ぴょう性を判断する材料とすることも可能。
さらに、エリアを指定するだけで、そのエリアの問題や要望を列挙し、それらのツイートとその対応策と思われるツイートを概観できるため、特定エリアの被災状況を概観しやすくなる。