カリフォルニア くるみ協会(California Walnut Commission:CWC)は10月31日、くるみを取り入れた食事はアルツハイマー病の発症リスク抑制、発症遅延、進行抑制、予防といった有益な効果をもたらす可能性があると発表した。
同研究はニューヨーク州立発達障害基礎研究所 発達神経科学研究室長のアバ・チャウハン博士らによるもので、国際科学誌「Journal of Alzheimer’s Disease」の10月号に掲載された。
今回の研究はチャウハン博士が率いた過去の細胞培養実験から発展したもので、その実験では、アルツハイマー病患者の脳内で形成されるアミロイドプラークの主成分であるアミロイドβタンパク質による酸化ダメージに対して、くるみ抽出物が保護作用を示すことが明らかとなっていた。
今回、マウスの餌の総量のうち6パーセントまたは9パーセントをくるみとした場合の効果を調べたところ、学習能力、記憶力、不安軽減、運動発達において有意な改善が確認された。研究グループによれば、くるみに抗酸化物質が豊富に含まれることが、アルツハイマー病で典型的にみられる変性症からマウスの脳を保護する一因となった可能性があるという。
チャウハン博士は「今回の研究結果は非常に有望であり、根治方法が見つかっていない病気であるアルツハイマー病とくるみの関係を調べる今後の臨床試験の土台を築く助けとなります」とコメントしている。