米IBMとスペインの石油ガス会社であるRepsolは10月31日(現地時間)、コグニティブ・テクノロジーの利用について世界初の共同研究を行うと発表した。両社は、特に油層採掘の最適化と油田の新規獲得におけるRepsolの戦略的意思決定の強化を目的とした、2つのコグニティブ・アプリケーションのプロトタイプを共同で開発していくこととなる。
例えば、エンジニアが新規獲得する油田について検討する場合、大量の論文や報告に加えて、地震探査データや油層、設備、採掘などのモデルの確認を行う必要がある。コグニティブ・テクノロジーは、何十万もの論文やレポートを分析して即座に支援を提供し、そのデータをすぐに優先順位付けして特定の決定につなげることができる。これによって、最善の決定を行う上でより円滑に概念モデルや地質学的モデルを構築し、潜在的なリスクや不確実性を明らかにし、トレードオフを可視化して、仮説を探ることができるようになるという。
両社が開発を目指す2つのプロトタイプ・アプリケーションでは、コグニティブ・コンピューティング機能を利用して、Repsolが将来の油田獲得におけるリスクや不確実性を低減できるよう支援するとともに、既存の油田の産出量を最大化できるようにすることを目指していく。
IBMは「どちらも、Repsolをはじめとするすべての石油・ガス企業のグローバルな事業展開において、効率と有効性に大きな影響を及ぼすことが考えられる」とコメントしている。